■キラキラ、ワイルド……どっちがお好き?
「オタクの夢か?」と言いたくなるような胸キュンシーンが次々と飛び出す一方で、『コンビニ兄弟』はヒューマンドラマとしての完成度も非常に高い。
漫画家になる夢を諦めた方がいいのかと悩む塾講師に、カースト上位グループにいる幼なじみの重圧に苦しむ女子中学生、老後を迎え、妻との向き合い方にとまどう高齢男性──コンビニを訪れる人たちは、それぞれに人生の悩みを抱えている。そんな彼らに、三彦はそっと寄り添っていく。そのじんわりとした温かさが、疲れた心にしみるのだ。
また、お客さんたちのお悩みを解決するうえで忘れてはならないのが、三彦の兄・二彦。彼は、お困りごとの解決や人探しが得意なので、三彦のサポーター的存在として活躍している。
原作小説のなかでも、二彦は髪はボサボサ、不精ヒゲを生やしたワイルドな風貌の男性として描かれており、キラキラオーラ全開の三彦とはまるでタイプが異なる。しかし、兄弟である以上は似ている部分がなければ不自然だ。「一体、誰が演じるんだ……?」と思っていたら、ケンティーがまさかの一人二役として登場したから驚いた。
同じ人物が演じているのに、まったく別人に見えるのだからすごい。三彦には、太陽のように周囲を照らす華やかさがある一方で、二彦は愛想もないし、どこか影をまとっている(皆さんは、どっち派ですか?)。それなのに、ふとした仕草に兄弟らしさがにじむ瞬間があるから、ケンティーの演技力の高さをあらためて実感させられる。
やっぱり、ケンティーは唯一無二の“エンタメ職人”だ。そんなシンプルな結論に、『コンビニ兄弟』を通して、もう一度たどり着いてしまった。
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