■人間を喰らわずに上弦に匹敵する鬼…竈門禰󠄀豆子

 本作の物語の根幹をなす最も重要な存在が、炭治郎の妹である竈門禰󠄀豆子だ。彼女は鬼の始祖・鬼舞辻無惨によって鬼にされてしまうが、鬼化して以降、一度も人間を喰らうことなく自我を保ち、生き長らえてきた。

 義勇が初対面で禰󠄀豆子に対し、「何か他とは違うものを感じる」と感じたように、彼女は他の鬼とは一線を画す、異質な存在だった。

 鱗滝によると、禰󠄀豆子は本来鬼たちが人間を食べて体力を回復しているのを、睡眠によって補っているという。そのため、戦闘中であっても、ひどい傷を負って回復が必要になれば眠ってしまうのだ。

 鬼化以降、約2年間眠り続けた禰󠄀豆子は、その間に体が変化し、人の血肉を必要としない体に変化したのではないかと、鬼であり医者でもある珠世は推測している。

 本来鬼たちは人間を食べるほどに強くなるとされている。中でも、特に強い鬼たちは「十二鬼月」と呼ばれ、無惨直属の部下となり、鬼殺隊の脅威となっているのだ。

 「十二鬼月」には「上弦」と「下弦」が存在するが、上弦の鬼ともなれば、鬼殺隊の柱3人分ほどの強さに匹敵するほどの強さを誇る。その強さゆえに、上弦の陸・堕姫と妓夫太郎が倒されるまでの113年もの間、その顔ぶれは変わることがなかった。

 だが驚くべきことに、人を喰らっていない禰󠄀豆子は、そんな上弦の鬼に匹敵するほどの潜在能力を秘めている。遊郭での堕姫との戦闘中、鬼化が進んだ禰豆子は、体を切り刻まれても瞬時に再生するほどの回復速度を見せた。これには堕姫も思わず、「今の回復再生速度は上弦に匹敵する」と驚愕しており、その後の戦闘でも堕姫を圧倒。その強さは、間違いなく堕姫を上回っていた。

 鬼化が進み、覚醒状態にあったとはいえ、人間を喰らわずして上弦に匹敵するほどの強さを見せただけでも異常だ。そればかりか、強力な血鬼術「爆血」も習得し、最終的には鬼の最大の弱点である太陽さえも克服してしまった。

 1000年もの間、無惨ですら克服できなかった太陽を、わずか数年で克服してしまった禰豆子。作中屈指の逸材なのは間違いない。

 

 炭治郎の並外れた嗅覚や、善逸の常人離れした聴覚など、人間離れした能力を持つキャラクターが多く登場する『鬼滅の刃』。その中でも、今回紹介した3人は、物語の展開を左右するほどのとんでもないポテンシャルを秘めている。

 「粒揃い」と言われた炭治郎の同期たちだが、彼らの特異な才能があったからこそ、113年ぶりに上弦を打ち取るという快挙に繋がったのだろう。そんな才能を持つ彼らが、鬼舞辻無惨にどのように挑み、戦っていくのか。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』の続編を心待ちにしたい。

 

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