アニメ『機動戦士ガンダム』は一年戦争と呼ばれる戦いが舞台となっており、リアルな戦闘描写や、戦時中の様子が描かれている。
同作の主人公アムロ・レイは、民間人でありながら成り行きでガンダムを操縦。その後はホワイトベースのクルーとしてジオン軍と戦うこととなる。そのアムロが正式に地球連邦軍の曹長として編入されたのは、第30話「小さな防衛線」のこと。このとき士官学校を出ているブライト・ノアは、少尉から中尉へと昇進を果たした。
ブライトに代表されるように、軍人を養成する士官学校の卒業生にはエリートが多い。中にはそんなエリートたちが集う士官学校を首席で卒業した、超優秀な人物もいた。
そこで今回は、宇宙世紀を舞台にしたガンダム作品の中から、首席卒業という偉業を成し遂げた人物たちの輝かしい経歴と活躍を振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■上に立つことを求められた悲劇の貴公子
『機動戦士ガンダム』の中で、ジオン公国を事実上牛耳っていたのがザビ家だ。ジオン公国公王デギンの末子であるガルマ・ザビは、ジオンの士官学校を首席で卒業。その様子は、安彦良和氏の人気コミック『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』で描かれている。
士官学校時代のガルマは、体力測定以外はすべて最高評価を受けていたが、苦労知らずの天才というわけではない。時には寝る間を惜しんで勉強する姿も見られた。
またガルマは在学中、常に成績トップだったシャア・アズナブルに嫉妬。一方的にシャアをライバル視していたが、行軍訓練中に彼を出し抜こうとして負傷。逆にシャアに助けられ、そこから彼と友情を深めていった。
しかし卒業間際、シャアは軍監に反抗的な態度をとって減点され、結局ガルマが首席卒業。シャアは次席となる。このことをガルマは素直に喜んだが、実は友であるシャアに首席を譲られたのではないかと疑ってもいた。ちなみにOVAの『THE ORIGIN』では、卒業前にシャアが士官学校を除籍になり、ガルマが繰り上がりで首席になっている。
そして一年戦争時、ガルマは地球方面軍の司令官に着任。彼はお飾りの司令官でいることをよしとせず、自ら戦闘機に乗って前線に出ることも少なくなかった。その後、連邦のホワイトベースが現れると、功を焦ったガルマは自ら出撃を繰り返す。そのうえシャアの狡猾な罠に引っかかり、彼の乗るガウはホワイトベース隊から総攻撃されて壮絶な最期を遂げた。
最後までシャアに翻弄されたガルマだったが、指揮官としての評価は高く、兄のドズル・ザビも「あやつこそ俺さえも使いこなしてくれる将軍にもなろうと楽しみにもしておったものを……」と悔やんだほど。
国民から慕われ、兄のドズルや部下たちからもその才を惜しまれたガルマ。その実力と人気は、首席卒業にふさわしい人物だったといえるだろう。


