主力4人が残留、“ポスト魚住”の育成も…『SLAM DUNK』田岡監督が狙う「来年の陵南最強説」を考えてみたの画像
『SLAM DUNK』VOL.13 [DVD](東映ビデオ) ©井上雄彦・アイティープランニング・東映アニメーション

 井上雄彦氏が描いた不朽のバスケットボール漫画『SLAM DUNK』。本作において、陵南はあと一歩のところで全国出場を逃した“悲運の強豪校”として語られることが多い。

 しかし、作中の設定や描写を整理すると、来シーズンの陵南が神奈川で「最強」の座に君臨する可能性は極めて高いと思える。もし、あのまま物語が続いていたならば、神奈川の勢力図は、湘北でも海南大附属でもなく、陵南を中心に大きく変わっていたのかもしれない。

 今回は、そんな“来年の陵南最強説”について考えていきたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■「主力4人残留」という圧倒的アドバンテージ

 来年度の陵南における最大の強みは、スタメンのうち4人が新3年生としてそのまま残る点にある。エースの仙道彰、得点源の福田吉兆、さらにガード陣の越野宏明と植草智之だ。入れ替わりの激しい高校バスケにおいて、公式戦を戦い抜いた主力がこれほど多く残るケースは極めて珍しい。

 対照的に、ライバル校は大幅な戦力ダウンを避けられない。王者・海南大附属は、絶対的司令塔の牧紳一をはじめ、スタメンのうち3年生3人が引退する。翔陽はさらに深刻で、監督兼任の藤真健司に加え、花形透らスタメン4人が3年生だ。

 主人公・桜木花道が属する湘北もまた、大黒柱の赤木剛憲と副主将の木暮公延が抜け、チームの骨格そのものが変化する。冬の選抜まで残留する可能性を示唆されていた三井寿も、来年度にはもちろん卒業を迎える。

 その中で陵南だけは、チームの中心戦力をほぼ維持したまま新シーズンへ突入できる。単純な戦力比較だけではなく、連携面や戦術理解度まで含めれば、この“継続性”が持つ意味は極めて大きいといえるだろう。

■来年も崩れない? 田岡監督が進める「ポスト魚住」育成計画

 主将であり、大黒柱であった魚住純の引退は、陵南にとって間違いなく大きな痛手だ。しかし一方で、田岡茂一監督はすでに“次のセンター”の育成に着手している。

 湘北戦の後半、魚住が4ファウルでベンチへ下がった際に投入されたのが、菅平である。具体的な身長設定は明かされていないものの、赤木とマッチアップする菅平を見た宮城リョータは「身長は花道くらいか…」としていた。桜木の身長は物語後半時点で189.2cmであるため、菅平も190cm前後の選手だと考えられる。

 もっとも、田岡監督は菅平に“第2の魚住”になることを求めているわけではないだろう。仙道や福田という強力なスコアラーを擁する新チームにおいて、センターに必要なのは、堅実なリバウンドやスクリーン、そして守備面を支える役割である。実際、予選の大舞台で全国屈指のセンター・赤木と対峙した経験は、菅平にとって大きな財産になったはずだ。

 さらに見逃せないのが、田岡監督のスカウト力である。かつて東京まで足を運び、仙道を勧誘した行動力を考えれば、来年度に向けて魚住級の大型新人を確保していても不思議ではない。

 既存戦力の育成と新戦力の補強。その両輪が噛み合えば、陵南のインサイドは来年も簡単には崩れないだろう。

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