■原作漫画だけが描いた「真の結末」…バットとリンの愛の行方は?
カイオウとの決着で幕を閉じたアニメ版。しかし原作漫画には、その先に続く「真の結末」が存在する。そこで描かれたのは愛する者のためにすべてを捧げたバットの、あまりにも気高く、凄絶な決断であった。
舞台はリンとバットの結婚式から始まる。秘孔「死環白」から目覚めたリンは、バットを愛するようになっていたが、バットはその想いが秘孔によって生まれた偽りのものではないかと苦悩する。リンに“本当の幸せ”をつかんでほしいと願う彼は、結婚式を中断し、彼女を連れてケンシロウとの記憶を取り戻す旅に出るのだ。
旅の途中でケンシロウとの再会を果たすが、皮肉にも今度はケンシロウ自身が落雷の影響で記憶を失っていた。さらに、ケンシロウに深い憎しみを抱く宿敵・ボルゲが現れ、一行は絶体絶命の危機に追い込まれていく。
この窮地において、バットは常軌を逸した覚悟を見せる。なんと自らの胸にケンシロウと同じ「七つの傷」を刻み、自分がケンシロウとしてボルゲと戦い、そのまま命を落とす道を選んだのである。
思えば、物語初期にはずる賢いコソ泥の少年だったバット。その彼が、ケンシロウやリン、そして愛する者たちのために命をかけるまでに成長した姿には、込み上げるものがある。
だが、もちろんケンシロウがそんなバットを見捨てるはずはなかった。土壇場で記憶を取り戻した彼は、バットとともにボルゲを撃破。しかし、バットはすでに致命傷を負っており、「ふたりで幸せになってくれ」という言葉を残して力尽きてしまう。
そう告げられたリンだったが、彼女はケンシロウではなく、亡くなったバットの傍らに残ることを選ぶ。リンもまた、数々の苦難の末に自らの真の愛にたどり着いたのだ。
その直後、奇跡が起きる。去り際にケンシロウが施していた秘孔の効果によって、バットは再び息を吹き返したのだ。
こうして、本当の意味で結ばれたリンとバット。そんな2人の幸せを見届けたケンシロウは、再び1人で荒野へと旅立っていく。これこそが、アニメでは描かれなかった原作漫画における真の結末である。
旧アニメ版『北斗の拳』は「ラオウとの決着」、そして「戦い続ける救世主ケンシロウ」を強く印象づけるかたちで完結していた。一方の原作漫画では、さらにその先にある「バットとリンの愛」という、もう1つの物語まで描ききられていたのである。
そして今、『北斗の拳』40周年を記念して、新作アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』が放送・配信中。「原作の魅力を余すこと無く忠実に映像化」と打ち出されているだけに、これまでアニメ化されてこなかったエピソード……特に原作終盤のバットとリンの物語まで描かれるのか注目が集まるところだ。いちファンとして、最後まで楽しみに見届けたい。
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