【実写化作品「人気俳優の不気味キャラ」1】鈴木亮平が魅せた「狂気の悪役」、肉体改造で作り上げた「金髪ムキムキボディ」の美しさの画像
鈴木亮平  写真/ふたまん+編集部

 漫画やアニメ、小説の世界には、薄気味悪い空気をまとったキャラクターがたびたび登場する。見た目はごく普通でありながら異常性を秘めていたり、感情の一部が欠落していたりと、その内面には背筋が凍るような危うさが潜んでいる。だが同時に、その底知れなさやミステリアスな魅力こそが、読者の目を強く引きつけてやまない。

 実写化作品においては、俳優たちがそうした見えない恐ろしさをいかに体現できるかが重要になる。原作の不気味さや違和感にリアリティを与えられるか否かは、作品の完成度を大きく左右する要素だ。

 今回は、そんな難役に挑み、普段のイメージを覆す異様な演技で強烈な印象を残した俳優たちを、5回にわたって振り返っていく。

(第1回/全5回)

※本記事には作品の内容を含みます

■悪役がハマりすぎていた『TOKYO TRIBE』鈴木亮平さん

 2014年に公開された、音楽と暴力が混ざり合う異色作『TOKYO TRIBE』。本作は、1993年に発表された井上三太さんの書き下ろし同名漫画の続編であり、1997年からファッション誌『boon』にて連載されていた『TOKYO TRIBE2』を実写映画化した作品だ。

 物語は、架空の街「トーキョー」を舞台に、暴力や殺人、性、薬、犯罪にまみれながら生きる若者たちの姿を、むき出しのエネルギーで描き出す。その過激な世界観にさらなる異物感を加えるのが、全編がラップで進行するという前代未聞の演出だ。俳優はもちろん、オーディションを勝ち抜いたラッパーYOUNG DAISさんも出演し、作品をラップで熱く盛り上げた。

 そして、この際どい作風の中でひと際強烈な存在感を放っていたのが、YOUNG DAISさんとともに主演を務めた鈴木亮平さんである。彼が演じたのは、池袋を拠点に強大な勢力を誇るトライブ(族)「ブクロWU-RONZ」のヘッド・メラだ。

 原作のメラは、ラッパーの2PacやRakimを意識したスキンヘッドの強面として描かれているが、実写版では金色の短髪へとアレンジ。一方で、内面からあふれ出す凶暴性がより色濃く描かれており、危険な人物という印象は一層際立っている。鈴木さんは、そんなトリッキーで常軌を逸したメラという男を、まさに体当たりで見事に表現した。

 鈴木さんといえば、2013年には映画『HK/変態仮面』で強烈なインパクトを残していたが、本作公開時にはNHK連続テレビ小説花子とアン』にも出演していたため、爽やかな御曹司というイメージを持つ人も多かったはずだ。

 しかし、本作では初登場からその異質さが爆発していた。ムキムキの裸に直で毛皮のジャケットを羽織るという強烈なビジュアルに加え、取り締まりに現れた女性警官を脱がせて体をまさぐるといった逸脱した振る舞いは、思わず「これが鈴木亮平?」と目を疑うほどのインパクト。そこに、荒々しさがにじむダミ声とラップの衝撃が重なり、キャラクターの異様さをさらに増幅させているのだ。

 その圧倒的な表現は、鈴木さんの役との向き合い方の丁寧さから生まれたものである。メラに関しても、なぜそのような言動を取るのか、何を求めているのかを突き詰め、作中では描かれていない人生までも自分なりに深く掘り下げたという。そうすることで、ただ異常な存在としてではなく、心の奥にあるコンプレックスや孤独をくみ取り、演技に落とし込んでいく。その積み重ねがあるからこそ、奇抜な漫画のキャラクターに人間らしい命が吹き込まれるのだ。

 また、鈴木さんは役に合わせて肉体を変える俳優としても有名だが、本作では“Tバック姿でラップをする”という台本を読んで肉体改造を決意したのだとか。『変態仮面』同様、体を大きくしたが、その後の減量を前提とした『変態仮面』とは異なり、本作はあえて大きさを維持するため1日8食にも及ぶ食事を続けていたというから驚きである。

 その徹底した作り込みの甲斐あって、メラが黒のTバック姿でラップを披露するシーンは、状況だけを見ればコミカルにも思えるが、観る者に不思議な凄みをも感じさせた。公開時からSNSなどで大きな話題となった鈴木さんの筋肉美は、まさに必見である。

 

 人並み外れたストイックさと役への真摯な向き合い方があるからこそ、鈴木さんはどれほど振り切ったキャラクターであっても、違和感なく演じ切ることができるのだろう。今後も、彼が見せる多彩な表現から目が離せない。

 

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