■スバルが下した決断は、仲間に自分を殺させること…

 ペテルギウスを倒したと思った直後に訪れた悲劇も、かなりのバッドエンドだった。すべてが終わったかのように見えて安心したのも束の間、ペテルギウスがいろんな人間に憑依するという出来事が起こる。

 ペテルギウスは肉体を持たない邪精霊のため、“指先”と呼ばれる配下に憑依して動いている。そのため、本体を撃破するか、指先すべてを倒さない限り、ペテルギウスを完全に消滅させることはできなかった。

 これには、かつてスバルと対立し、その後共闘することになった騎士・ユリウスや、治癒魔法を扱うフェリスたちもどう対処したらいいのか分からず、あげくの果てにはスバルまでペテルギウスに憑依されてしまう。

 この状態のスバルを確実に元に戻す方法が分からず、このままでは憑依されたスバルが仲間に襲いかかる恐れがあった。そこで、「元に戻れないなら、自分ごと止めてもらうしかない」と覚悟を決めたスバルは、仲間たちに自分を殺すように求める。しかし、ユリウスはスバルが元に戻る可能性を捨てきれず、すぐに手を下せない。

 それでもスバルが元に戻ることはなく、殺すしか解決方法が無いことを悟ったユリウスは、スバルの命を絶つことを決断。かつては反発したものの、すでに信頼できる仲間になっていたからこそ、その決断はなおさら重かった。

 問題が解決したと思った直後に、主人公自身が仲間の手で殺されるというとんでもないバッドエンドが待っていることは想像もできず、この展開には驚かされた。

■大兎にボロボロにされ、エミリアのところへたどり着くも命尽きる

 アニメ第2期での山場となった最悪のバッドエンドは、それまでスバル陣営でありつつ、その正体や目的が謎に包まれていた人物によって引き起こされた。

 ある時、スバルがロズワールの屋敷に戻ると、エルザという暗殺者の襲撃によって屋敷の面々が次々と殺され、壊滅状態になってしまう。それを避けるためにスバルは「死に戻り」をするがうまくいかず、なおかつ屋敷の襲撃を仕組んだのが何者か分からなかった。

 襲撃命令を出している人間を止めることができれば、最悪の未来を回避することができる。そう思いながら行動していると、襲撃を仕組んでいた人物が明らかに……。それは、今まで仲間だと思って信用していたロズワール・L・メイザースだった。

 そして、第2期の舞台となった「聖域」に関する真相を問うため、スバル、ガーフィール、ラムの3人がロズワールのもとに出向く。すると会話の中で、突然ロズワールはラムとガーフィールの胸を腕で貫いた。まさかの事態に全員が絶句し、何が起こったのか分からない……という状況だ。

 だが悲劇はここで終わらない。その後、三大魔獣の一角であり、400年ものあいだ世界を苦しめてきた「大兎」に取り囲まれたロズワールは、大量の兎に囲まれて食い殺されてしまう。

 スバルはただ見ていることしかできず、その場を離れるのが精一杯。エミリアのもとへどうにかたどり着いたが、すでにスバルの体は大兎にあちこちを食いちぎられており、そのまま力尽きてしまうのだった。

 怒涛のように押し寄せる惨劇の連続に、ただ絶望するしかなく、信じていた仲間の裏切りや大兎という脅威、自分の無力さが重なったこのバッドエンドは、第2期の中でも屈指の絶望展開として記憶に残っている。

 

 『Re:ゼロ』のバッドエンドはいずれも救いがなく、どうすることもできないものばかり。そんな絶望に真っ向から向き合い、それでも何度も立ち上がるスバルの精神力には毎度驚かされてしまう。トラウマものの悲劇が訪れるからこそ、それを乗り越えた先でスバルたちがつかみ取る勝利は、より一層の感動を私たちに与えてくれるのだろう。

 

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