■予想を超える速度で訪れた劇的展開…『黄泉のツガイ』

 次に紹介するのは、2022年から『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)にて連載中の『黄泉のツガイ』。『鋼の錬金術師』をはじめ、これまで数多くの大ヒット作を生み出してきた荒川弘氏の原作ということで、放送前から高い期待が寄せられていた。

 主人公は特別な力を持つと言い伝えられている「夜と昼を別つ双子」の少年ユル。物語序盤では狩猟や農耕、外部との物々交換で生計を立てている小さな農村が描かれ、古代伝奇風の和風ファンタジーな世界観を彷彿とさせた。

 しかし、空からやってきた何者かに村の結界を打ち破られ、ヘリコプターや銃を持った集団によって、突如村人たちが襲われてしまうのだ。

 そして、「ツガイ」と呼ばれる大きな口の化け物を操る少女・ガブちゃんが登場し、その能力で村の大人たちを真っ二つにしていく。さらには村で幽閉されていたユルの双子の妹アサが、襲撃者に襲われ、なおかつ襲撃者自身が「自分がアサである」と告げるのであった。

 畳みかけるように勃発する異能力によるバトルと、「夜と昼を別つ双子」の妹であるアサの謎。第1話から期待を裏切らない高い映像クオリティと、手に汗握る怒涛の展開に「村人死に過ぎ……」「何が始まってるんだ」「今期の覇権でいいだろ」などの声が寄せられ、圧倒された視聴者が多かったようだ。

 今後、左右様と呼ばれる「ツガイ」の力を手に入れて下界に逃げのびたユルが、現代社会にどのように溶け込み、謎の集団と対峙していくのかが見ものである。視聴者のド肝を抜いてくれる展開にさらなる期待が高まる。

■ハードボイルドな鶏の復讐劇『ニワトリ・ファイター』

 最後に紹介するのは、桜谷シュウ氏による同名漫画が原作となった『ニワトリ・ファイター』。物語はシンプルで、1羽のニワトリが鬼獣と呼ばれる巨大な化け物と戦って人類を救う物語である。

 原作はウェブコミックで海外展開もされているが、斬新な世界観と圧倒的な画力によって北米や中南米などで人気が沸騰。特にスペイン語圏での反響が大きく、非公式のファンクラブが開設されているほどである。

 主人公は妹のサラを食った鬼獣を探して、復讐の旅をしているニワトリのケイジ。背景こそシリアスな雰囲気だが、公園の子どもにフライドチキンを食べさせられそうになったり、1話冒頭から鶏同士の交尾が始まったりと、要所で挟まれるコメディテイストな描写が視聴者の笑いを誘う。

 しかし、タイトルの「ファイター」の名に恥じないアクションシーンも随所で描かれ、自身の何10倍もある鬼獣との戦闘では、圧倒的な体格差を物ともせずに攻め立てるケイジ。1話では、鬼獣に特大の鳴き声を浴びせ、共振という現象を発生させて倒す「鴣鴂鶻鵁(コケコッコー)」という必殺技で相手を撃破。ヒーローアニメ特有の胸が熱くなる豪快なバトルに、SNSでは「激アツすぎる!」「春のダークホース枠になりそうな予感」と大きな反響を呼んだ。

 展開そのものはシンプルではあるが、普通のニワトリが圧倒的な強さで敵を蹴散らす爽快感がたまらず、そのシュールな設定は病みつきになる。海外に続いて日本でもニワトリ旋風が起こるのか……春アニメのダークホース枠ならぬ、ダークチキン枠となるのか注目である。

 

 第1話からいろんな意味で衝撃を与えた注目作の数々。2話目以降も続々放送中の今、どのような新展開を見せてくれるのか、さらに刮目していきたい。

 

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ニワトリ・ファイター(1) (ヒーローズコミックス)
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