■中毒性バツグン!暗殺者の婚活アニメ『マリッジトキシン』

 次に紹介するのは、『少年ジャンプ+』で連載中の『マリッジトキシン』。超一流の殺し屋であり、殺しの最強格といわれる五大名家「毒使い」の跡取りである下呂ヒカルを中心に繰り広げられる、婚活バトルアクション作品である。

 主人公であるヒカルは、周りの暗殺者仲間が結婚していく中、自分も人並みの幸せを手に入れたいという願いを密かに持っていた。しかし職業柄、女性への免疫もなく、一生ひとりで過ごすことを決意していた。

 第1話の冒頭では、毒を使ってターゲットを無常に葬るヒカルの姿から、犯罪者やクズ人間を掃除していくストーリーかと思われた。しかし、次なる殺しのターゲット・城崎メイとの出会いで彼の運命は大きく変わる。

 メイは結婚詐欺で捕まった“美少女”であり、命乞いのために見え見えのアプローチをするが、ヒカルはこれを本気の好意と受け取ってしまう。そして、メイを救うかわりに、これまで何人もの相手と婚約したプロとして、自分の結婚を手伝ってくれとプロポーズするという急展開に。

 ここからふたりの恋物語が始まって、暗殺業をこなしながら下呂家の跡継ぎ問題の解決に向けて進むのかと思われた。しかし、メイはその圧倒的な美貌とは裏腹に、女装をした男性であるという事実が明らかにされ、ストーリーはさらに予想外の方向へ向かう。

 前半のシリアスパートとうってかわって、後半パートはメイの指導のもと、婚活に挑むヒカルの姿が描かれた。婚活パーティでいきなり年収自慢をするイタさを発揮したり、ぎこちない笑いで相手に恐怖を与えたりと、一気にコメディテイストの展開に。SNSでは「メイちゃんと結婚でいいと思うんですけどいかがですか」「ギャグアニメなの?笑」と、前後半の落差に驚く声が多くあがっていた。

 前半のシリアスさと後半のコメディ感の落差が笑いを誘った第1話となり、高い中毒性を見せつけた本作。一流暗殺者と結婚詐欺師の婚活はまだまだ続きそうだ。

■くっころ展開かと思いきや…?『姫騎士は蛮族の嫁』

 最後の作品は『別冊少年マガジン』にて連載中の『姫騎士は蛮族の嫁』。東方蛮族との戦いに敗れて捕虜となった姫騎士セラフィーナ・ド・ラヴィラントが、最強の蛮族王ヴェーオルにプロポーズされる恋愛ストーリーだ。

 舞台となるイルドレン王国では国民が貧しさに苦しんでいる一方、貴族は戦争による軍事需要の恩恵で贅沢な暮らしをしていた。主人公のセラフィーナは、大貴族の娘でありながら誇り高く民想いの女性で、東方征伐軍・第一騎士団長として蛮族との戦いに参加することになる。

 第1話の序盤では両勢力による激しい戦争が描かれ、本格的な歴史戦記アニメが始まったことを印象付けるような凄惨なシーンも。さらにヴェーオルとの一騎打ちで敗れたセラフィーナが、戦利品としてさらわれるシリアスな展開に……。

 牢獄に捕らえられた女騎士の姿からは、「くっ、殺せ!」というセリフの後に辱めを受ける、いわゆる“くっころ”展開を予想した視聴者も多かったはずだが、ここから作品のテイストが一変。ヴェーオルがセラフィーナをさらった理由は、自分の花嫁にするためだったと明かされるのだ。

 しかも、無理やり従わされることは一切なく、セラの剣筋に一目惚れしたとストレートな求婚を受ける。拷問や儀式の生け贄などひどい扱いを受けることを想像していたセラフィーナは、蛮族とは思えない紳士な対応と真摯なプロポーズに頬を赤らめ、慌てふためくコミカルな姿が描かれた。SNSでは「前半パートどこいった笑」「姫騎士めっちゃ可愛いんだが」と、そのギャップに驚き、セラフィーナのかわいさをたたえる声であふれることになった。

 敵同士だった女騎士と蛮族による、いわば『ロミオとジュリエット』的な展開はいかなる進展になるのだろうか。また、蛮族の捕虜となったセラフィーナが、今後国民を救うためにどのような行動をとるのかも見どころである。

 

 いずれも第1話で視聴者の予想を上回る強烈なインパクトを残し、意外な方向に振り切れた展開は新鮮味も強かった3作品。全体的にコメディ感が強い第1話だったが、シリアスな展開を予期させる伏線も張られていた。今後の物語の行方をぜひ見届けてほしい。

 

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姫騎士は蛮族の嫁(1) (KCデラックス)
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