■メッセージが心に響く『ファイナルファンタジーIII』
最後に紹介するのは『ファイナルファンタジーIII』(1990年、スクウェア)である。『FF』シリーズはファミコン時代から一貫してストーリーに重点が置かれており、さまざまな人たちとの出会いと別れが主人公たちを成長させていくのが特徴だ。
『FF3』は、最終盤にクリスタルタワーという超難関ダンジョンが待ち受け、それを抜けた先にラスボス「くらやみのくも」との最終決戦がある。
そしてその戦いを終えた後、映画のエンディングロールのようなかたちで「さいしょは なにもない むの せかいだった」から始まる文章が流れる。演出としてはごく短く、シンプルな背景に文字が映し出されるというあっさりしたもの。しかし、だからこそ、その中で訴えかけられる「希望の大切さ」が身に染みる。
ギリシャ神話の「パンドラの箱」の解釈の1つにもあるように、憎悪や妬み、絶望といった負の感情があふれる中でも「希望」は残っており、それによって人類は力を発揮できる。そのことを、初期の『FF』シリーズは訴え続けているような気がする。その象徴が、シリーズを通して登場する「クリスタル」の存在だといえよう。
その後、仲間たちがそれぞれ元いた場所へと帰っていく。先述した『ドラクエ4』とは違って、そこで会話が交わされるのだが、いたってシンプルなもの。だが、限りのあるファミコンの容量の中で、よくぞこれだけの会話を詰め込んでくれたと感動を覚えた。
ファミコン時代のゲームはハード面の制約があるために、削られたイベントやアイテムなどが多かったという話を耳にする。そんな中でも制作者たちは、クリアした少年少女たちをがっかりさせないよう、容量を割き、至高のエンディングを用意してくれたのだ。
皆さんの心に残っている「ファミコンRPGの泣ける名エンディング」には、どのようなものがあるだろうか。


