浜辺美波
浜辺美波  写真/ふたまん+編集部

 実写化作品において「女子高生」は、数えきれないヒット作を生み出してきた鉄板のジャンルである。しかし、原作で輝きを放っていたヒロインをそのままスクリーンに登場させるのは、決して簡単なことではない。女優自身の魅力、役への深い理解、そして制服姿が見事に噛み合った瞬間、二次元のヒロインは初めて“現実の存在”として命を宿すのである。

 今回は、実写化作品において「可愛すぎる女子高生」を完璧に演じ切り、その圧倒的な存在感で作品に命を吹き込んだ女優たちを振り返っていく。

 彼女たちがどのようにキャラクターの魅力を引き出し、ファンの心を掴んだのか。そこには、のちにトップスターへと登り詰めていく彼女たちが放っていた、今見ても眩しすぎる「あの頃だけの輝き」が詰まっていた。

(第1回/全5回)

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■静かな存在感が光る「正統派ヒロイン」浜辺美波さん『咲-Saki-』宮永咲

 2016年にテレビドラマが放送され、翌年には映画が公開された、小林立さんによる人気漫画『咲-Saki-』。

 本作は、麻雀が知的スポーツとして普及した世界を舞台に、女子高生たちがインターハイの頂点を目指す熱き青春物語である。「女子高生×麻雀」という、一見すると異色の組み合わせが特徴の本作で、主人公・宮永咲役に抜擢されたのが、当時16歳で、本作が連続ドラマ初主演作となった浜辺美波さんであった。

 浜辺さんが演じた咲は、清澄高校の1年生。天才的な才能を秘めながらも、物語の序盤では麻雀に対してどこか距離を置いている。感情を大きく表に出すタイプではなく、物静かで柔らかな佇まいが印象的なヒロインだ。そんな彼女が、麻雀部の仲間たちとの出会いを経て、全国大会出場を目指して成長していく姿が描かれる。

 浜辺さんは役作りのため、1か月以上も麻雀の練習に励んだといい、劇中の対局シーンで見せる凛とした真剣な眼差しは、観る者の視線を釘付けにするほどの魅力に満ちていた。

 また、ビジュアル面で目を引くのが、清澄高校の制服が持つ「白」と「赤」の鮮やかなコントラストである。純白のセーラー服に赤いタイ、そして原作を忠実に再現したショートボブの髪型。過度な装飾のない王道のシンプルなデザインだからこそ、浜辺さん自身の持つ透明感が一層際立ち、宮永咲というヒロイン像を強く印象付けていた。

 本作には、清澄高校のライバル校の生徒役として、当時注目を集めていた若手女優やグラビアアイドルが多数出演していた。だが、その中にあっても、浜辺さんの存在感は群を抜いていたと言っていいだろう。深夜ドラマの画面越しに放たれるその圧倒的なオーラは、彼女が「次代の主役」であることを確信させるものがあった。

 さらに、浜辺さんは2017年の続編ドラマおよび2018年公開の映画『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』にも出演。咲の姉であり、白糸台高校の絶対的エースとして君臨する宮永照役を演じている。

 照は本作におけるラスボス的な存在であり、淡いブルーのタイと黒いベルトが印象的な白糸台の制服姿は、清澄高校での咲の柔らかな雰囲気とは対照的に、冷静沈着で隙のないオーラを放っていた。

 映画の舞台挨拶にて浜辺さんは、高校1年生から2年生にかけてシリーズに関わってきたこともあり、“私の夏は毎年『咲-Saki-』に捧げているので、(自身にとって)青春かなと思います”と語っている。

 瑞々しい透明感、制服姿の完成度、およびキャラクターと共に成長していくリアルな時間。まさに浜辺さん自身の青春を投影しているような本作は、今もなおファンの記憶に鮮烈に残る一作なのである。

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