■受け継がれるサイヤ人の血…地球生まれのパンとブラ
最後は、次世代の女性サイヤ人だ。惑星ベジータの消滅によって純血のサイヤ人がほぼ滅びた後、その強靱な血は地球人との混血として、次世代へと受け継がれていくこととなった。
魔人ブウとの決着から10年後、悟空の息子・孫悟飯とビーデルの娘・パンが登場する。サイヤ人のクォーターである彼女は、わずか4歳にして舞空術で地球を一周するほどの規格外の潜在能力を秘めている。天下一武道会では大人の格闘家を圧倒するなど、幼いながらも戦闘民族としての資質を存分に発揮した。
さらに『ドラゴンボールGT』では、少女へと成長した姿で登場。祖父である悟空やトランクスとともに宇宙へ旅立ち、物語の中心人物の1人として活躍する。持ち前の行動力と物怖じしない性格もまた、サイヤ人の血を色濃く感じさせる要素といえるだろう。
一方、ベジータとブルマの娘・ブラはサイヤ人のハーフでありながら、異なる才能の開花を見せる。
漫画版『ドラゴンボール超』の「スーパーヒーロー編」では、天才科学者Dr.ヘドが仕掛けた高レベルのコンピューターウイルスを、まだ幼児ながらあっさり解除するという離れ業を披露。その卓越した知能は明らかに母・ブルマ譲りのものであり、他のサイヤ人ハーフやクォーターたちとは異なり、戦闘能力とは別の方向で新たな可能性を示した、非常に興味深い事例である。
パンとブラ、それぞれ異なるかたちで力を発揮する2人の姿は、サイヤ人という種族が単なる「戦闘民族」ではなく、多様な可能性を秘めた種族として新たな時代へと歩みを始めていることを感じさせるものであった。
戦場で誇り高く散った戦士・セリパ、サイヤ人の常識を覆す母性愛を体現したギネ、圧倒的な戦闘能力で新時代の力を象徴するカリフラやケール。さらには、地球で生まれ育ち、サイヤ人の新たな可能性を体現する次世代のパンやブラ。
彼女たちはそれぞれ異なるかたちでサイヤ人という種族の幅を広げ、『ドラゴンボール』の物語に新たな奥行きをもたらした。
今後、どのような新たな女性サイヤ人が登場して、どのような「可能性」を提示してくれるのだろうか。今後の展開にも大いに期待したい。


