セリパ、ギネ、カリフラ、ケール…『ドラゴンボール』シリーズに登場した才能豊かな「女性サイヤ人たち」の画像
『ドラゴンボールZ KAKAROT 追加シナリオ:-BARDOCK- たったひとりの最終決戦』(バンダイナムコエンターテインメント) (C)バード・スタジオ/集英社・東映アニメーション (C)Bandai Namco Entertainment Inc.

 鳥山明さんが生み出した『ドラゴンボール』シリーズにおいて、主人公・孫悟空やベジータに代表されるサイヤ人は、宇宙でも屈指の「戦闘民族」として広く知られている。フリーザらと組み、他星を侵略しては力で富を築いてきた苛烈な種族であることから、そのイメージは、どうしても男性戦士を中心に語られる傾向にあった。

 しかし、あらためてシリーズ作品を振り返ると、女性サイヤ人たちもまた、それぞれが異なる立場と役割の中でたしかな存在感を放っていることが分かる。戦場で戦う者、家族を守る者、そして新たな時代を切り拓く者——今回は『ドラゴンボール』シリーズに登場した個性豊かな女性サイヤ人たちの、多面的な魅力に迫りたい。

 

※本記事には各作品の内容を含みます。

 

■惑星ベジータの記憶…戦士セリパと悟空の母ギネ

 『ドラゴンボール』シリーズにおいて初めて登場した女性サイヤ人は、1990年に放送されたTVスペシャル『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜』に登場した戦士・セリパである。

 劇中、彼女が最初にその姿を現したのは、意外にもサイヤ人の特性である「大猿」へと変身した状態であった。悟空の父・バーダック率いる精鋭部隊の一員として、侵略対象であったカナッサ星に降り立ち、その巨躯と破壊光線で建造物もろとも星の原住民を蹂躙する。

 やがて変身が解けると、ショートヘアの快活な素顔を見せる。ピンクを基調とした戦闘服に身を包み、バーダックたち男性戦士と対等に肩を並べて不敵に談笑するその姿は、サイヤ人の女性もまた例外なく戦闘民族であることを強く印象づけた。

 しかし、こうした戦士としてのイメージを大きく塗り替えたのが、外伝漫画『DRAGON BALL-(ドラゴンボールマイナス)放たれた運命の子供』(2014年)および、映画『ドラゴンボール超 ブロリー』(2018年)で描かれた、悟空(カカロット)の母・ギネである。

 彼女は惑星ベジータの肉の配給所で働く穏やかな性格の持ち主であり、好戦的なサイヤ人の中では珍しく戦闘を好まない。まさに、従来のサイヤ人像とは対極に位置する人物として描かれているのだ。

 特筆すべきは、夫であるバーダックとの間に育まれた、サイヤ人としては極めて異質とされる「情愛」の存在である。

 強さのみを重んじるサイヤ人社会において、互いを想い、家族として寄り添うその関係は、極めて珍しいとされている。死地へ向かう夫を案じ、幼きカカロットを丸形ポッドで地球へ送り出す際に見せた母としての涙は、悟空も持っている地球人とは異なる純粋な「優しさ」のルーツを感じさせるものだった。

 また、同作では、王城で働く女性スタッフ・ニオンの姿も確認できる。ブルーの髪が印象的なクールな佇まいの彼女は、直接戦闘には関与せず、後方から仲間を支える役割を担っていた。これもまた、戦闘以外の役割を持つ女性サイヤ人の在り方を示す一例である。

 戦士であるセリパ、母としてのギネ、そして社会の裏方として支えるニオン。それぞれが異なる立場から、女性サイヤ人に多様な在り方があることを示していた。

■第6宇宙からの衝撃…常識を覆したカリフラとケール

 『ドラゴンボール超』の「宇宙サバイバル編」で登場したカリフラとケールのコンビは、女性サイヤ人像に新たなインパクトをもたらした存在だ。

 第6宇宙の代表戦士である2人は、同宇宙のサイヤ人の中でもトップクラスの戦闘能力を誇り、宇宙全体で見ても上位に位置する実力者として描かれている。

 カリフラはコツを教わるや否や、あっという間に超サイヤ人、さらには超サイヤ人2へと覚醒を遂げた。粗暴な“ケンカ上等”の性格で荒々しい戦闘を得意としていた彼女は、第7宇宙代表である悟空との戦いの中で急速に成長し、その驚異的な戦闘センスを見せつける。

 ある意味、「戦闘民族サイヤ人」というイメージを最も体現した存在といえるかもしれない。

 一方、カリフラを慕う気弱で内気な妹分ケールは、ふだんは戦いを好まない性格だ。しかし、強い感情が引き金となって覚醒すると、伝説の超サイヤ人を彷彿とさせる姿へと変貌する。

 理性を失い、全身の筋肉が膨張して巨大化。黄緑色のオーラを纏い、圧倒的な力で戦場を蹂躙するその姿は、かつて悟空たちを苦しめたブロリーを思わせるものだった。

 さらに「ポタラ」によって2人が合体した戦士・ケフラは、悟空を極限まで追い詰めるほどの圧倒的な強さを見せつけた。2人の女性サイヤ人の無限の可能性が融合した、まさに最強の好敵手であったといえるだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3