ゲーム機を立ち上げる瞬間、まず目に飛び込んでくるのが「起動画面」である。
カセットやディスクを挿入し、電源を入れた途端に現れるあの映像は、何度も繰り返し見てきたおなじみの光景である。一番古い記憶は、ファミコンのディスクシステムの起動画面という人もいるかもしれない。その存在は、古くからゲーム好きの記憶に刻み込まれてきた。
ハードの進化とともに、起動画面は「近未来」や「未知のテクノロジー」を意識させる演出が増えていく。画面の向こうに広がる「未来」を予感させるだけでなく、どことなく「不気味な何か」を醸し出す演出も感じられた。
特に90年代から2000年代初頭にかけての起動画面には、近未来感と不気味感が詰め込まれていた印象だ。
今回は、いまだに忘れられないほど繰り返し見た、印象に残っているゲーム機の起動画面について振り返ってみたい。
■実験室のような冷たさと興奮を感じた「セガサターン」
1994年に発売された「セガサターン」はセガが誇る32ビット機で、当時ライバルの「プレイステーション」(ソニー)と家庭用ゲーム機の覇権を争っていた。
本体の知名度を一気に押し上げたのは、藤岡弘さんが扮する「せがた三四郎」というイメージキャラクターだったが、実際に電源を入れたときの起動画面もまた別の意味で強烈な印象を残した。
黒い背景に散らばる金属片らしき物体が、高速で回転しながら一点に集まり、やがて「SEGA SATURN」のロゴを形成。その背後では、金属的で鋭い電子音が響き渡る。まるで実験室で何か未知の化学反応が起きているような雰囲気が漂い、ポップさとは正反対の硬質でクールな演出に感じられた。
当時のアーケードゲームのタイトル画面的なテイストを残しつつ、シンプルではあるが「どこか怖い」「妙に記憶に残る」と語られることが多い。特に深夜にプレイする際に、あの独特の音と映像が静かな部屋に響き渡り、謎の緊張感を覚えた人もいるのではないだろうか。
セガらしい実験精神と、90年代の先端テクノロジー感が詰まった起動画面である。
■静かな未来感「ドリームキャスト」
同じくセガが、1998年に発売したのが「ドリームキャスト」。セガにとって最後の家庭用ゲーム機であり、時代の節目を象徴するハードだった。
当時としては珍しかったインターネット接続に対応するなど、先進的な機能が話題を呼び、当時セガの専務だった湯川英一さんが自ら出演したテレビCMも人気だった。だが、実際にプレイヤーの脳裏に焼きついたのは、やはり独特の起動画面である。
左上から落下してきた球体が弾む動きに合わせて、「Dreamcast」の文字が現れ、やがて大きく跳ねた球の軌道がドリームキャストのシンボルマークである「渦巻き」を形成する。
この時、まるで水辺で反響しているかのような柔らかなサウンドが流れるが、この起動音を作曲したのは音楽家の坂本龍一さんである。派手さはないが、どこか幻想的な雰囲気が漂い、心を落ち着かせる音色だった。セガサターンとは対照的に静けさが感じられる起動画面だが、同時に深海にいるような得体のしれない恐怖も醸し出している。
強烈な演出ではなく、静かに始まりを告げるタイプで、まさにドリームキャストらしい未来感がそこにあった。


