■ワイン業界からも絶大な支持!『神の雫』
ふたつめの作品は、原作・亜樹直さん、作画・オキモト・シュウさんによる漫画『神の雫』のアニメ化。世界的ワイン評論家・神咲豊多香の死を機に、実子の神咲雫と養子の遠峰一青が、“十二使徒”と幻の一本“神の雫”を巡って対決する物語で、4月10日からTOKYO MXほかで2クール放送が決定している。
ドラマ版は2009年に日本テレビ系で放送され、主人公、神咲雫役を亀梨和也さん、養子の遠峰一青役を田辺誠一さんが演じた。ワインを正面から扱うテーマは連続ドラマの中でも確かな存在感を放ち、初回視聴率10.3%と注目度も高かった。原作漫画同様に、ワインについてのうんちくが初心者でもわかりやすく描かれ、かつ内容も専門性が高いことで、業界関係者からも高い支持を受けた作品だ。
今回のアニメ版では、ドラマ版にも出演した亀梨和也さんが、17年ぶりに再び神咲雫を演じることも話題となった。2025年のボージョレ・ヌーボーの解禁日に開催された制作発表会で亀梨さんは、ドラマ版の縁を感じ、出演を決定したとコメント。また、アニメ化の経緯について、本作の監督を務めた糸曽賢志さんは、「アニメになるのがちょっと遅い感じすらある」と述べたうえで、ワインは嗅覚と味覚で楽しむものだからこそ、アニメでは視覚と聴覚でどう補うかを考え、色やボトル表現に強くこだわっていると明かしている。
原作で表現されていた、ワインの香りと比喩の豊かさ、ワインを飲んだ瞬間に開く心象風景は、アニメによってより自由度も増すはず。亀梨さんがアニメ版でどのような演技を見せるのかにも注目したい。
■働くすべての人に必ず刺さる『左ききのエレン』
最後に取り上げるのは、かっぴーさんによる漫画『左ききのエレン』のアニメ化だ(テレビ東京系)。2016年にWebメディア「cakes」での連載開始以降、累計約2億5000万PV、発行部数約410万部を記録した人気作であり、4月7日深夜から待望のアニメが放送となる。
デザイナーとして「何者か」になりたい朝倉光一と、圧倒的な才能を持つ画家・山岸エレンを軸に、広告とアートの世界でもがく若者たちを描くクリエイター青春群像劇。才能への渇望と劣等感、そして次々に登場する怪物級のクリエイターたちが並ぶ世界観も含め、広告とアートの現場が生々しく描かれた作品で「天才になれなかった全ての人へ」というキャッチコピーの通り、働く大人にも強く刺さる作品として支持を集めてきた。
ドラマ版は2019年にMBS/TBSのドラマイズム枠で放送され、神尾楓珠さんと池田エライザさんがダブル主演を務めた。その後、U-NEXTでの独占配信およびオリジナルエピソードの配信など広がりも見せ、原作者のかっぴーさんも「ちゃんと『左ききのエレン』になった」とテレビ版を評価。
アニメ化の発表は2022年に報じられ、当時からSNSでは「アニメ化楽しみすぎる」「働く人なら全員刺さる」といった声が上がっていた。今回は初のアニメ化ということで、どのような映像になるのかにも期待が集まっている。
ドラマとして多くの人を惹きつけた3作が、この春、アニメとして新たに動き出す。実写版を知る人には懐かしく、初めて触れる人には新鮮に映るはずだ。アニメならではの表現で、それぞれの魅力がどう広がるのか見届けたい。


