1月に始まった冬アニメも、いよいよ終盤戦に突入した。今期は大型続編タイトルから新作アニメまで豊作のクールとなったが、そのぶん視聴者のあいだでは早くも「終わってほしくない」「もう最終回か…」といった声も増えている。
特に、毎週の癒やしになっていた作品や、登場人物たちの関係性をじっくり見守るタイプの作品ほど、最終回が近づくにつれて喪失感は大きくなりやすいだろう。物語の結末が気になる一方で、彼らの日常を見られなくなる寂しさを覚える視聴者も少なくないはずだ。
今回は、現在放送中の冬アニメのなかから、最終回を前にすでに“ロス必至”の声が上がっている4作をピックアップ。視聴者が別れを惜しむ理由を、作品ごとの魅力とともに振り返っていく。
※本記事は各作品の内容を含みます。
■心でつながる甘々ラブコメディ!『透明男と人間女〜そのうち夫婦になるふたり〜』
ひとつめの作品は、岩飛猫さんによる漫画を原作とした『透明男と人間女〜そのうち夫婦になるふたり〜』。ほのぼのとした日常系ラブコメディだが、本作は「姿が見えない透明男」と「目の見えない人間の女性」というふたりが織りなす、じれったく甘酸っぱいラブストーリーとなっている。
主人公となるのは、探偵事務所を営む紳士的な透明男・透乃眼あきらと、そこで働く盲目の女性、夜香しずか。透乃眼は基本的に透明だが、聴覚や嗅覚、触覚が研ぎ澄まされた夜香には、姿を消した透乃眼の居場所が不思議と分かってしまう。姿は見えずとも、心でつながり合うふたりの甘酸っぱい恋模様に、「全人類が見るべき」「今期一尊い」「そのうちと言わずもう結婚しろ!」と、癒される視聴者も続出中だ。
また本作の世界では、獣人、エルフ、鬼といったさまざまな種族が共生している。ゆえに、「透明である」「目が視えない」という点は、不便さではなくひとつの個性として描かれる。登場人物には、姉御肌の獣人・写螺子ルナや、ぶっきらぼうだがマメな人間・鬼木羅だいちなど多様なキャラクターが登場し、透乃眼としずかを温かく見守る姿も愛らしく、終始ほっこりとした気持ちで見られる作品となっている。
甘くじれったいふたりの日常に、毎週癒やされてきた視聴者も多いはず。透明度100%のふたりの日常は、今期どのような行方をたどるのか、ぜひ見届けてほしい。
■重く静かに紡がれる人間関係『違国日記』
続いての作品は、ヤマシタトモコさんの同名漫画が原作となった『違国日記』。今冬アニメは軒並み大型タイトルが人気を博しているが、本作は新作アニメの中で圧倒的な存在感を放っている。
物語は、他者と距離を取って生きてきた小説家・高代槙生と、不慮の事故で突然両親を失った田汲朝のふたりによる共同生活が中心に描かれる。作中では終始、「人は究極的には他人であり、100%理解し合うことは不可能」という前提に立っており、登場人物たちの関係性をリアルに描写した人間ドラマは好評を博している。ハートウォーミングな同居物語とは一線を画す設定ゆえに、「予想外だった」という声も多くあがっていた。
作中では「大人だから」「親を亡くした可哀想な子だから」といった無意識の偏見や、「大切な人の死をどう受け入れるのか?」という問いに対し、槙生や朝、彼女らの周辺人物たちが、ときに毅然と、ときに不器用に向き合っていく。
巧みなレトリックや、言葉にしづらい内面の揺らぎを映像で表現する試みも特徴的で、今期放送中の新作アニメの中でも断トツの評価を得ている。特に第8話にて、これまで自分の感情に名前を付けられなかった朝が、両親の死を受け入れて感情を爆発させるシーンでは「ひっさびさに嗚咽したわ」「ようやく泣けたんだね」と、朝の変化に感動する視聴者の声であふれていた。
展開そのものに派手さはなくとも、心の機微が鮮明に描かれた物語。回を増すごとに深い余韻を残す本作は、どのような結末を迎えるのか。槙生と朝の行く末をしっかり見届けたい。


