■どこか切なさを感じた女傑の最期
『機動戦士Zガンダム』におけるハマーン・カーンは、ジオンの残党を率いてアクシズを拠点とする第三勢力として参戦。グリプス戦役の最終局面では、その勢力を温存するために撤退しており、続編となる『機動戦士ガンダムZZ』では、その戦力をもってザビ家再興を目論んだ。
『Z』でのハマーンは、かつて同じ陣営にいたシャアに対する未練を感じさせるような言動もあったが、『ZZ』ではニュータイプの少年・ジュドーと出会う。ハマーンは「君は私を理解できる唯一の存在かもしれない」と、ジュドーに対して特別な感情を抱いた様子だった。
若くしてネオ・ジオンの実質的な指導者となったハマーンは、後ろ盾だったシャアを失い、リーダーとしての孤独だけでなく、ニュータイプとしての孤独も感じていたのだろう。
シャアと似た気配をジュドーに感じ取ったハマーンは、彼を仲間に引き入れようとする。再三ジュドーを勧誘したが、結局2人は分かり合うことができず、戦いで決着をつけるしかなかった。
その結末が描かれたのが、最終話でもある第47話「戦士、再び……」の回だ。ジュドーのZZガンダムとハマーンのキュベレイは壮絶な一騎打ちを繰り広げる。最終的に相打ちのようなかたちになるが、ハマーンは「私の負けだな……」と潔く負けを認めた。
ジュドーは傷を負ったハマーンに手を差し伸べるが彼女はそれを受け入れず、傷ついたキュベレイを自ら壁に激突させ、命を散らせた。
ジュドーとの最終決戦では、一騎打ちだからとファンネルを使用せず、最後もキュベレイの爆発に彼を巻き込まないよう離れてから散ったハマーン。彼女が最後にこぼした「帰ってきて良かった」「強い子に会えて……」というセリフは、涙なしには見られない。
それまでのシリアスな雰囲気とは異なる、「明るいガンダム」という方針で作られた『機動戦士ガンダムZZ』。しかし、初代『ガンダム』『Zガンダム』と地続きの世界だけに、宇宙世紀のファンであればチェックしておきたい重要なエピソードも多かった。
放送当時、作品テイストの違いに驚いて途中離脱した人もいるようだが、放送開始から40年というこの節目のタイミングに、あらためて視聴しなおしてみてはいかがだろうか。昔見たときとは、また異なる印象を受けるかもしれない。


