アニメ『機動戦士ガンダムZZ』は1986年3月1日から放送が始まった。つまり、放送開始からちょうど40年という節目を迎えた(第1話はこれまでの流れを解説する特別番組だった)ことになる。同作は『ガンダム』のテレビシリーズの3作目で、1985年放送の『機動戦士Zガンダム』の続編にあたる。
主人公は、サイド1のコロニー「シャングリラ」に暮らす、無鉄砲でノリが軽い少年ジュドー・アーシタ。ジャンク屋として日銭を稼いでいたジュドーは、ひょんなことからモビルスーツのパイロットになり、戦争に巻き込まれていく。
『ZZ』の実質的な初回にあたる第2話から、カミーユ、ファ、ブライト、ヤザンといったおなじみのキャラクターが登場し、『Z』からつながる物語であることを示した。
しかし『ZZ』の序盤はコミカルな描写が目立ち、初代『機動戦士ガンダム』や『Zガンダム』のシリアスな空気感とのギャップにとまどった人もいるはず。もしかすると途中で視聴をやめてしまった人もいるかもしれない。
だが、それでも『ZZ』は、『ファースト』『Z』と続く「宇宙世紀」の作品に他ならない。なじみのある登場人物も多く、彼らが深くかかわる重要なエピソードも存在した。
そこで『機動戦士ガンダムZZ』のことは詳しく知らないという宇宙世紀ファンに向けて、ここだけは抑えておきたい重要な回を振り返っていく。
※本記事には作品の内容を含みます。
■一年戦争を生き残ったハヤトの壮絶な最期
『機動戦士ガンダム』で描かれた一年戦争時、ホワイトベースのクルーとして主にガンタンクに乗って戦ったハヤト・コバヤシ。『機動戦士Zガンダム』ではカツ・レツ・キッカを引き取ってフラウ・ボゥと結婚したことが判明し、子宝にも恵まれていた。
ハヤトは反地球連邦勢力であるカラバに所属し、かつてともに戦った戦友ブライト・ノアらをサポートしていた。
『機動戦士ガンダムZZ』で描かれた第一次ネオ・ジオン抗争でも、引き続きカラバの中心メンバーとしてジュドーらに手を貸している。
そのハヤトに関する最重要エピソードが描かれたのが、第35話「落ちてきた空」だ。ハマーンは、アクシズの力を誇示するため、地球・ダブリンへのコロニー落としを敢行する。その動きを事前に察知したハヤトは、少しでも多くの人々を救助するため、ブライトにも協力を要請する。
ブライトのいるアーガマを訪れたハヤトは、『Z』の劇中で散ったカツの部屋を訪れ、幼い彼らが写った家族写真を手に取る。そして、カツの死の事実をフラウたちにも伝えることを決意するのだった。
その後、ハヤト率いるカラバは、少しでも多くの避難民を救うために尽力した。だが、それを阻止しようとネオ・ジオンのラカン・ダカランの部隊がダブリンの町を強襲する。
歴戦の猛者がそろうラカン・ダカランの部隊は手ごわく、エゥーゴのMS隊は苦戦を強いられる。その劣勢をくつがえすべくジュドーはZZガンダムへのドッキングを試みるが、その隙をラカンのザクIIIに狙われてしまう。
若きニュータイプ・ジュドーの絶体絶命の危機に、ドダイ改に乗ったハヤトが割って入る。
そのおかげでジュドーの命は救われたが、ハヤトの機体にザクIIIのビーム・ライフルが直撃。ハヤトは「聞こえる……カツ……」という言葉を残し、機体は爆散した。
自分の身を犠牲にして未来ある若者を守り、ギリギリまで避難民を救おうと戦ったハヤト。その最後の勇姿を、宇宙世紀ファンにこそ見届けてほしい。
■ジュドーの大切な妹を救ったセイラ
一年戦争時は主に重戦闘機「Gファイター」のパイロットとして活躍したセイラ・マス。その後、彼女は戦いから退き、『機動戦士ガンダムZZ』の中では投資家として暮らしていることが明かされる。物語の表舞台から消えたセイラだったが、実は『ZZ』の中で重要な活躍が描かれていた。
エゥーゴとネオ・ジオンの戦いが激化していくなか、ジュドーの妹であるリィナ・アーシタはネオ・ジオンによってさらわれてしまう。一度は奪還に成功したものの敵に追われ、負傷していたリィナは小屋に避難する。しかし、その小屋にモビルスーツが墜落し、彼女は死亡したと思われていた。だが、実はそんな彼女を救っていたのがセイラである。
第37話「ネェル・アーガマ」の回では、ダカールの海辺で車いすに乗ったリィナがセイラと一緒に、地球を発つジュドーたちのシャトルを見守る場面が描かれている。
そして宇宙世紀ファンにとって見逃せないシーンが、第46話「バイブレーション」の回に描かれた。ここでブライトはセイラとの再会を果たし、リィナの口からセイラに助けられたことが告げられるのである。
セイラとブライトはにこやかな表情を浮かべて言葉を交わし、彼女はミライから託されたと思われる家族のビデオをブライトに手渡す。申し訳なさそうに受け取るブライトに、セイラは「まったく……手紙くらい出しなさいって言いたいけれど、今サイド3、厳しいようね……」と、彼女らしい言い回しで現状を確認していた。
さらにセイラは「兄の……シャア・アズナブルの動きは分からないんですか」と、シャアの動向を気にする様子を見せていたのも印象的だ。
のちの『逆襲のシャア』へとつながりそうなセリフまで飛び出したこのシーン。一年戦争以来となるセイラとブライトのやりとりはチェックしておいて損はないはずだ。


