■『龍を継ぐ男』での最強キャラ

 『TOUGH』から約10年後を描く『龍を継ぐ男』は、鬼龍の息子である長岡龍星を主人公に、新たな戦いが繰り広げられる。本作では最先端科学が格闘技に組み込まれ、GKドラゴンやトダー、D-51といったロボットが登場。尊鷹も最新の義足によって戦闘力を増して復活した。

 そんな中でも、キー坊の強さは揺るがない。龍星を導く存在として、立ちふさがる強敵を次々と撃破していく。特に、囚人兵のボリス・イワノフを「精髄破滅拳」の二度打ちで倒した場面は印象的だ。ボリスは作中でも屈指の耐久力を誇り、あらゆる攻撃が通用しないように見えた。そんな相手を倒してしまうキー坊は、やはり別格である。

 本作での最強候補(さすがにロボットは除く)は、悪魔王子、拳獣リカルド、龍星、キー坊の4人だろう。そしてこの中で最も強いのはキー坊に違いない。

 悪魔王子とリカルドはほぼ互角の実力を持ち、龍星は悪魔王子に僅差で勝利している。そして、その龍星をキー坊は返し技で圧倒した。「幻魔拳」には「幻魔・邀撃拳(ようげきけん)」、「菩薩拳」には「菩薩返し」と、カウンターでダメージを与え、龍星を打ち負かしている。

 超人的な力をもたらす「ガルシアの心臓」を龍星が使っていれば、結果はまた違っていたかもしれない。しかし、彼は“バケモノ”ではなく“人間”として戦うことを選んだ。それにしても、他のキャラが突然変異や肉体改造に頼る中、生身で頂点に君臨し続けるキー坊の強さは驚異的だ。

 

 『タフ』シリーズを通して最強は誰かといえば、やはり成長し続けたキー坊だろう。多様な技を吸収した上で自分なりのアレンジを加えられる点が、他のキャラにはない強みである。彼はまさに、武道の極意である「守(基本を守る)・破(型を破る)・離(型を離れ独自のスタイルを確立する)」を体現したキャラクターだといえる。

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