【実写化作品「圧巻の美少女再現」1】堀北真希が完璧再現した「ボーイッシュヒロイン」、原作そのままの「超透明感」と「かわいらしさ」の画像
堀北真希 写真/ふたまん+編集部

 漫画の実写化作品がヒットするか否かは、ストーリーや設定の忠実度はもちろんのこと、キャラクターに命を吹き込む演者がどれだけ原作のイメージと重なり合うかにもかかっている。

 特に少女漫画は、登場人物のちょっとした表情や佇まい、話し方といった繊細なニュアンスが物語の魅力を大きく左右するため、完璧なイメージの再現が難しいジャンルの一つだ。さらには原作ファンの思い入れも強い分、実写化へのハードルも自然と高くなる。

 それでも、1990年代から2000年代前半にかけては高いハードルを乗り越え、原作のイメージを損なうことなくドラマならではの世界観を確立し、原作ファンのみならず幅広い視聴者の心を掴んだ女優たちがいた。

 そこで今回は、懐かしの少女漫画実写化ドラマで少女漫画の世界観を現実に引き寄せ、輝きを放っていた女優たちを複数回に渡って振り返っていく。

(第1回/全5回)

■ボーイッシュな可愛さ『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』の堀北真希さん

 2007年に放送されたドラマ『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系)は、当時19歳だった堀北真希さんの魅力を印象づけた代表作の一つだ。

 原作は、1996年から2004年にかけて『花とゆめ』(白泉社)で連載されていた中条比紗也さんの同名漫画。初めてドラマ化されたのは2006年の台湾版で、日本ではその翌年に実写化された。

 物語は、アメリカで一目ぼれした高跳び選手・佐野泉を追いかけ、全寮制の男子校・桜咲学園に性別を偽って転入する主人公・芦屋瑞稀を軸に展開するラブコメ。女子が男子校に入るという大胆な設定の中、男装のヒロインという難役を演じたのが堀北真希さんだった。

 ドラマには、小栗旬さん、生田斗真さん、水嶋ヒロさん、岡田将生さんら今振り返っても豪華すぎる若手俳優が顔を揃える。堀北さんは、そんなイケメン俳優に囲まれながらも物語の中心として抜群の存在感を放っていた。

 その理由の一つとして、原作漫画で描かれた芦屋瑞稀の性格や外見と、堀北さんの親和性の高さが挙げられるだろう。原作漫画の瑞稀は、運動神経抜群のショートカット女子でパッと見では中性的な顔立ちのイケメン男子に見えないこともない。

 だが、性格は女子そのものの可愛らしさと明るさを持つ魅力的な人物だ。堀北さんは、そんな瑞稀に合わせ初めての短さだというボーイッシュなショートカットに挑戦。このショートカットがとても似合っており、その容姿から溢れ出る堀北さんの透明感や美少年感が、多くの視聴者の目を釘付けにした。

 堀北さんは女の子らしさを控え目にして少年らしさを出すために、歩き方を少しがに股にしたり足を開いて座るようにするなど姿勢から意識を変えたという。確かに、改めて見てみると歩き方からもどこか少年らしさが滲んでいたのではないだろうか。

 そうやって外見では性別の垣根を超えながらも、泉に向ける表情や笑顔の端々からは恋する乙女の可愛らしさが溢れる。そのキュートなギャップが視聴者の心を掴んだのだ。

 堀北さんは、この難役を演じ切る以前からすでに強い存在感を放つ若手女優として注目を集めていた。2002年に、部活の帰宅中に畑でスカウトされたという個性的な経歴を持ち、その翌年には映画『COSMIC RESCUE』、ドラマ『ケータイ刑事 銭形舞』で女優デビューを果たしている。

 そして2005年には、ドラマ『野ブタ。をプロデュース』や映画『ALWAYS 三丁目の夕日』に出演し、大ブレイク。『イケパラ』出演時は、知名度人気度ともにうなぎ登りの最中だった。そんな中で魅せた男性的な一面は、堀北さんの新しい境地を切り開いたといっても過言ではない。

 男装という原作の設定を見事に体現した少年性と、ふとした瞬間に見せる女の子らしい表情の数々。その反する瑞稀の魅力を堀北さんは、自然体で演じ切った。イケメンだけどカワイイという視聴者からの評価は、堀北さんだからこそ成立したものだろう。

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