■死神の名を冠する生まれながらの天才!?『ジョジョの奇妙な冒険』マニッシュ・ボーイ
とある血統にまつわる因縁の戦いを、部ごとに舞台となる時代や国を変え、さまざまな形で描き続けている『ジョジョの奇妙な冒険』。1986年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載が開始された荒木飛呂彦氏の作品で、2026年3月から始まる第7部『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』のアニメ放送を前に、ますますの盛り上がりを見せている。
第3部からは精神エネルギーを具現化したスタンドが登場し、これまでとは一線を画す超能力戦が展開されるのだが、そんな3部で主人公・空条承太郎一行を欺き苦しめたのが、敵スタンド使いの一人であるマニッシュ・ボーイだろう。
その見た目は生後11カ月の赤ん坊なのだが、その正体は大人顔負けの高度な頭脳を持って生まれた天才児だ。言葉こそ話せないが大人同様に物事を理解し、宿敵・DIOの刺客として承太郎たちの命を狙う、狡猾で残忍な本性を隠し持つ。
安全ピンでサソリを殺害したり、煙草を吹かしたりと、赤ん坊らしからぬ行動でも読者を驚かせたが、彼の真の恐ろしさは彼のスタンド「死神13(デスサーティーン)」の凶悪な能力にあるだろう。
このスタンドは対象の夢の世界に侵入することができ、眠っている間に相手を傷つけ、殺害することができる。
夢の世界は完全に彼の支配下にあり、他者に変身したり、物体を変化させたりとまさに自由自在。眠っている相手は夢の世界でスタンドを出すことができないため、なすすべなく攻撃されるしかない。さらに、目が覚めると襲われた記憶を一切忘れてしまい、現実世界の本体が誰なのかを突き止めることすら困難なのである。
承太郎一行は善意から彼を旅の一団に同行させたが、まさかすぐそばにいる無防備で可愛らしい赤ん坊こそが「死神」の名を冠するスタンド使いだとは、思いもよらなかっただろう。
今回紹介したキャラクターたちは普段は無力な子どもの姿をしているが、ここぞという場面でその能力と本性を発揮し、主人公たちを絶体絶命の窮地へと追い込んだ。
彼らは、屈強な大人の敵キャラクターとはまた違った恐怖を読者に与え、強烈な印象を残した存在だ。愛らしい幼い姿と凶悪な本性……。その凄まじいギャップこそが、彼らを忘れがたい敵キャラクターへと昇華させているのだろう。


