2014年より『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載が開始された野田サトルさんの漫画『ゴールデンカムイ』。その圧倒的な人気からアニメ、実写映画、ドラマと破竹の勢いでメディア展開を続けている。
3月13日からは、映画第2弾となる『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』が公開予定であり、ファンの期待も最高潮に高まっている状況だ。
本作は明治末期の北海道を舞台に、アイヌが隠した莫大な金塊を巡ってさまざまな人物が手を組み、騙し、奪い合いを繰り広げていくサバイバルミステリーである。
劇中には、敵味方問わず強烈な個性を放つ魅力的なキャラクターが多数登場するが、実写版ではこれら一癖も二癖もある面々を、実力派俳優たちが見事に体現してみせた。
そこで今回は、実写版『ゴールデンカムイ』に出演した俳優たちを数回にわたってピックアップし、その驚異的な再現力の高さを振り返っていく。
※本記事には作品の内容を含みます
(第3回/全5回)
■数々の変顔も見事に再現! 年齢差を感じさせない圧巻のクオリティ…アシㇼパ役:山田杏奈
本作のヒロインであり、主人公・杉元佐一の心強き相棒として活躍するのが、青い瞳を持つアイヌの少女・アシㇼパだ。まだ幼いが、卓越した狩猟技術と大自然に関する深い知識を持ち合わせており、北海道の過酷な大地を生き抜くたくましい少女である。
その愛らしい見た目はもちろんのこと、アイヌの歴史を伝え、独特のアイヌ料理を振る舞うなど、本作におけるアイヌ文化の語り部としても重要な役割を担うキャラクターだ。
劇中ではヒグマに襲われていた杉元を助けたことがきっかけで、タッグを組んで金塊争奪戦へと挑んでいくこととなる。杉元と並び、本作の「顔」とも呼べるこのアシㇼパ役を実写化で演じたのが、山田杏奈さんだ。
アシㇼパは、最もキャスティングが難しい役柄の1人であったと言えるだろう。特に、多くの原作ファンが懸念したのが、彼女の「年齢設定」であった。
原作におけるアシㇼパは、約10代前半の少女として描かれている。対して、彼女を演じた山田さんは撮影当時23歳であり、かなりの年齢差があった。
しかし、蓋を開けてみれば、その不安は杞憂に終わる。文様の刻まれた鉢巻をはじめ、アイヌの伝統衣装を身に纏った山田さんは、持ち前の透明感と演技力で年齢という壁を乗り越えてみせた。狩人として極寒の大地で生きるアシㇼパの凜とした強さを表現しつつも、時に年相応の感情豊かな一面を覗かせるなど、芯の強さと愛嬌が同居した原作同様のアシㇼパ像を絶妙に再現したのである。
その高い親和性は原作ファンも唸らせるほどだった。映像を見ているうちに、自然と「幼い少女」に見えてくるから、なんとも不思議なものだ。
また、アシㇼパといえば劇中で度々炸裂する、多種多様な変顔も見どころの一つ。
本作のコミカル要素として欠かすことのできないこの変顔だが、山田さんは自らのスマートフォンで顔を撮影して練習するという自主トレーニングを敢行。最終的にフォルダが変顔の画像で埋め尽くされるほどだったと、茶目っ気たっぷりに明かしている。
その努力の甲斐もあり、劇中で繰り出される変顔はアシㇼパそのもの。まさに原作から飛び出してきたかのような完成度だった。さまざまな場面で飛び出すバリエーション豊かな変顔は、凄まじいインパクトと共に物語に心地の良い緩急と笑いをもたらした。
原作キャラクターとの年齢差という大きなハードルを見事に乗り越え、良い意味でファンたちの不安を裏切ってみせた、文句のつけようがないキャスティングであったと言えるだろう。


