裏社会の陰謀に巻き込まれたパティシエ・早瀬陸の奮闘を描く日曜劇場『リブート』(TBS系)。毎週衝撃の展開が描かれる本作だが、第4話でもさまざまな新事実が発覚。中でも注目を集めているのが、幸後一香(戸田恵梨香)にまつわる“意味深描写”だ。
顔や姿を変えて真相に迫ろうとする早瀬の協力者でありながら、「何か大きな嘘をついている」ともされる一香。今回はこれまで出てきた彼女にまつわる情報をあらためて整理し、「3つの視点」からその人物像を読み解いていく。
※本記事は『リブート』第4話までの内容を含みます。
■一香の「仕事」と「私生活」
まずは一香の「仕事」についてだ。
彼女はゴーシックスコーポレーションの公認会計士・財務担当役員であり、合六の裏組織の「金庫番」。通常の財務管理のほか、闇バイトの斡旋やマネーロンダリングなど犯罪行為にも手を染めている。殺害された早瀬の妻・夏海(山口紗弥加)は、一香の前任者だった。
悪徳刑事の儀堂歩(鈴木亮平)は、組織の金を横領するために夏海、一香の両者を脅して協力させていた。当初、一香は儀堂のことを恋人だと語っていたが、これは一緒に行動していても怪しまれないようにするための嘘である。
さらに第4話では、儀堂が組織の10億円を奪った後に夏海を殺害し、早瀬を影武者に仕立て上げた上で海外に逃亡しようとしていたことが発覚。早瀬の「リブート」は早瀬のためではなく、儀堂のために計画されたものだったのだ。そして、一香はそれをすべて知ったうえで行動していた。
このように、二重にも三重にも嘘を重ねてきた一香だが、その真意を読み解く鍵となるのが「私生活」である。
彼女について語るうえで何より欠かせないのは、妹である綾香(与田祐希)の存在だ。綾香は「肺動脈性肺高血圧症」という難病にかかっており、治療のためには大金が必要。さらに儀堂に「妹を殺す」と脅され逆らえなくなっていたことからも、綾香が一香の行動原理であることは明らかだ。
そして、第4話で初めて登場した一香の私室では、クローゼットの天井裏に札束とスマホ、写真立てらしきものが隠し置かれ、写真立てに「いってきます」と声をかけていた。わざわざ天井裏に隠す必要がある写真とは……一香にはまだ大きな秘密があることがうかがえる。
さらに、その直前で描かれた一香の「夢」がまた意味深だ。何者かに胸を撃たれ、ぐったりする一香。その視点は第三者の目線……まさに撃った側から一香を見ているようなもので、しかも背後の壁には何らかの資料が大量に貼られており、中には綾香の写真もあった。まるで誰かが一香について情報を集めて“勉強”しているようにも見える。一体、この夢は何を暗示しているのだろうか。
■「早瀬家」とのかかわり
最後にひとつ、「早瀬家」に対する一香の態度も特筆すべきポイントだ。
一香は儀堂に脅され、彼の計画に協力するために早瀬を騙した。いわば駒として利用したわけだが、それにしては一香の早瀬、および彼の家族に対する態度はとても優しい。
特に第1話、一香が夏海の葬儀で早瀬の息子・拓海に話しかける場面は印象的である。ひとりでぽつんと佇む拓海に声をかけ、優しい笑顔で勇気づけている。自身も幼い頃に親を亡くしているため、「傷ついた子どもを励ましたかった」とのことだが、夏海が命を落とした経緯を知っている立場であることをふまえると、少々不自然にも思える。
その後はたびたびハヤセ洋菓子店に足を運び、大量のシュークリームを購入するなど、すっかり常連となっている。早瀬が母のためシュークリームの作り方のメモをこっそり渡そうとしたときも、「こういうものは渡さないで」と言いつつ、後で自分が代わりに伝えてあげていた。早瀬を利用している罪悪感からという可能性もあるが、何かと早瀬家に対して親身なのである。
SNS上では、こうした一香の態度から「今の一香は夏海がリブートした姿?」という考察がたびたび見られる。今回のエピソードで出てきた写真立てについても、「早瀬家の写真が入っているのでは」との声が上がっているほどだ。また、一香の夢にかんしても、一香=夏海のリブートを示唆していると見る視聴者もいる。
たしかに、夏海と一香は仕事の前任者・後任者、ともに甘い物好きなど、共通点が強調されている。また、一香の夢に出てきた大量の資料は、早瀬が儀堂にリブートするためにした「準備」を彷彿させる。
しかし、現在の一香が夏海のリブートした姿だとすると、遺体が夏海だと断定されたことや綾香の存在など、辻褄が合わないところもいくつかある。現段階ではなんともいえないが、一香が今後の物語の重大な鍵となることは間違いないだろう。
夏海を殺害した犯人が儀堂だと明かされ、いよいよ仇討ちのために動き出した早瀬。第5話にも「衝撃の展開」が予告されており、物語はさらなる進展を見せそうだ。


