サンライズ50周年に『ボトムズ 灰色の魔女』降臨…ガンダム作品「魔女ブーム」の裏側を追う 『水星の魔女』『ジークアクス』『キルケーの魔女』…の画像
※機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ公式X(@gundam_hathaway)のポストより

 2026年1月、サンライズ50周年記念作品として完全新作『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女(ヘクセ)』が同年展開されることが発表された。監督には『機動警察パトレイバー』や『攻殻機動隊』などでおなじみの押井守氏を迎え、サンライズとProduction I.Gがタッグを組んで制作する。

 先行公開された30秒のトレーラームービーでは、主力機である「スコープドッグ」の特徴的な頭部が映し出され、同作の特徴でもあるローラーダッシュで夜の森林を滑らかに駆ける様子が描かれた。

 それにしてもサンライズの新作「灰色の魔女」という副題を見た時、既視感を覚えた人も多いのではないだろうか。単なる偶然かもしれないが、直近のガンダムシリーズにおいても3作品連続で「魔女」が重要なキーワードとして登場している。

 そこで今回は『ボトムズ』と同じサンライズが制作した、最近のガンダム作品において印象的だった「魔女」について振り返ってみたい。

※本記事には各作品の核心的な内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。

■『ガンダム』TVアニメ初の女性主人公(機動戦士ガンダム 水星の魔女)

 2022年から放送開始されたTVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では、タイトルにそのまま「魔女」のワードが使用されている。同作は『ガンダム』シリーズのTVアニメとしては初めて、女性キャラの「スレッタ・マーキュリー」が主人公を務めた。

 その第11話でスレッタは、“地球の魔女"ことソフィ・プロネから「初めまして、水星の魔女さん」と呼ばれている。これはスレッタが水星出身であり、なおかつ本来人体に高い負担を強いる「ガンダム・エアリアル」を難なく乗りこなすことから、そのように呼ばれたと思われる。

 しかし物語が進むにつれて「水星の魔女」を意味するのはスレッタだけでなく、エアリアルの開発責任者でありスレッタの母親「プロスペラ・マーキュリー」や、その娘「エリクト・サマヤ」にも当てはまるように見えた。そして最終局面でこの2人とスレッタは対立することになる。

 最終決戦でプロスペラとエリクトを止めるため、スレッタは「ガンダム・キャリバーン」で出撃。キャリバーンの主兵装である「バリアブルロッドライフル」は、長い砲身の後部に推進機を取り付けた独特の武装。これを持つスレッタとキャリバーンは、まるで箒にまたがる魔女のように戦場を駆け、戦いに臨んだのである。

■短い登場ながらも存在感を残した一年戦争の「魔女」(機動戦士Gundam GQuuuuuuX)

 2025年12月11日、同年の「ネット流行語100」が発表され、大賞に選ばれたのが『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』である。

 そんな2025年の話題作『ジークアクス』にも「魔女」のキーワードが登場。それが第4話のタイトルにもなった「魔女の戦争」である。

 この「魔女」とは、元地球連邦軍の撃墜王「シイコ・スガイ」を指している。一年戦争時に100機以上の敵モビルスーツを撃墜したシイコは、その圧倒的な強さゆえに「魔女」の異名で呼ばれた。

 少女のようにも見える童顔のシイコは、子持ちの人妻。既に軍を除隊していたが、「赤いガンダム」と「ニュータイプ」に強く執着しており、自身の手で赤いガンダムを倒すためにクランバトルに参加する。

 得意の戦闘スタイルは、小型のワイヤーフックを敵機に引っ掛け、急激に軌道を変える「スティグマ攻撃」による撹乱。クランバトルではマチュの乗る「ジークアクス」を翻弄したが、最後はビームサーベルを囮にされ、背後からシュウジ・イトウの乗る赤いガンダムにコックピットを貫かれてシイコの機体は爆散した。

 シイコの最期はクランバトルでも人が命を落とすという残酷な現実を、視聴者にまざまざと見せつけた。そしてたった1話の登場ながら、シイコは「魔女」として存在感を示し、『ジークアクス』を語るうえで欠かせない人物の1人となったのである。

  1. 1
  2. 2
  3. 3