ケンシロウの右腕にもなり得た? 山のフドウにカーネル、ジャギも…『北斗の拳』実は高いポテンシャルを秘めていた「意外な逸材たち」の画像
『北斗の拳 究極版』第4巻(徳間書店) (C)武論尊・原哲夫

 原作・武論尊氏、作画・原哲夫氏による『北斗の拳』は、北斗神拳伝承者・ケンシロウが「強敵(とも)」との死闘を通じて成長する姿を描いたバトル漫画の金字塔だ。連載開始から40年以上が経過した2026年現在も、新作アニメプロジェクトが進行するなど、世代を超えて愛され続けている。

 本作には北斗四兄弟や南斗六聖拳の伝承者といった、圧倒的な実力者が数多く登場する。その一方、あっという間に命を散らしてしまった、いわゆる「脇役キャラ」と見なされがちなキャラクターの中にも、違う道を歩んでいればケンシロウの右腕になり得たかもしれない、高いポテンシャルが感じられた人物が存在する。

 そこで今回は、作中で敗れはしたものの、底知れぬ実力を感じさせた3人の逸材を振り返りたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■ラオウを唯一恐怖させた男、南斗五車星の「山のフドウ」

 南斗五車星の1人・山のフドウは、作中でも屈指の巨漢として有名だ。初登場時は愛くるしい笑顔で孤児たちの世話をする心優しい大男として描かれたため、当初は歴戦の戦士というイメージは薄かった。

 しかしフドウの真の恐ろしさは、かつて「鬼のフドウ」と呼ばれ畏怖された過去にある。若き日の彼は、リュウケンが率いる道場の試合にて罪なき対戦相手を次々と手にかけ、その暴虐ぶりは、のちに世紀末覇者として君臨するラオウにも恐怖を与えたほどだった。

 その後、フドウは幼いユリアとの出会いを経て命の尊さを学び、改心。戦いを辞めて穏やかな生活を送っていた。

 しかし物語終盤、ユリアがラオウに連れ去られたことをきっかけに、フドウはラオウの要望に答えて再び鬼と化して戦う。結果としてフドウはラオウに敗れたものの、子どもたちの“哀しき瞳”に宿る力とともにラオウを後退させ、覇者のプライドを打ち砕くことに成功したのである。

 フドウが倒れた直接の原因は、ラオウの部下によって放たれた矢による負傷であった。つまり、この部下の卑劣な横やりがなければ、フドウは恐怖に立ちすくんだラオウを追い詰めた可能性も否定できない。フドウの秘めたるポテンシャルは、ラオウにも通用するレベルだったといえるだろう。

■ケンシロウが唯一“背後”を取られた男…大佐(カーネル)

 物語序盤に登場する組織「GOLAN」の首領・大佐(カーネル)は、ある意味で最もケンシロウを驚かせた人物かもしれない。彼は超能力のような予知能力と、長年の実戦で培われた暗殺術を組み合わせた「南斗無音拳」の使い手だ。

 特筆すべきは、あのケンシロウが「気配をまったく感じさせずに背後を取られた」という事実である。作中においてケンシロウの不意を突いた敵は極めて稀であり、ケンシロウ自身も「かつて知らぬ間にこれほど近くまで獲物に接近を許したことはない」とつぶやいている。

 最終的にケンシロウに敗北するが、大佐はほかのザコキャラとは違い、まじめに訓練を積んできた元レッドベレー隊員だった。自分たちを駒として使っていた上官たちは核戦争で死に絶えたが、鍛錬を積んだ自分たちは生き残ったという自負を持つ。

 国家に忠誠を誓って鍛錬を積み重ねただけに、妙な野望を抱かなければ南斗の正統な伝承者として名を馳せた可能性もあるだろう。そうなれば、ケンシロウと手を組んで共闘する未来さえあり得たかもしれない。

 大佐は序盤の敵ながら、その戦闘センスは間違いなく超一流であった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3