「友情・努力・勝利」をモットーに、数々の主人公たちが活躍するジャンプ漫画の世界では、彼らの「妻」がキャラクターとして登場する作品も少なくない。
彼女たちは、激闘や苦難に立ち向かう夫をただ献身的に支えるだけの存在ではない。なかには主人公を凌駕するほどの強烈な個性を放ち、目まぐるしい活躍を見せることもある。精神面でのサポートだけでなく、ときには戦力の1人として最前線に立ったり、その破天荒な行動で物語をかき回すような印象深いキャラも存在するのだ。
今回は、主人公すら食ってしまうようなパワフルな魅力を持つ、ジャンプ漫画の「強烈すぎる妻」たちについて見ていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■元美女が激変…守銭奴にして最強の司令塔『ジャングルの王者ターちゃん』ヂェーン
アフリカのジャングルでチンパンジーに育てられたターちゃんを主人公に、熱いバトルの数々と突き抜けたギャグシーンが入り乱れる『ジャングルの王者ターちゃん』。1988年より連載された徳弘正也氏の大人気作であるが、ターちゃんを支え、その強烈なキャラクター性で読者に大きなインパクトを与えたのが、妻・ヂェーンである。
元々はアメリカのトップモデル「プレイメイト」として名を馳せた美女であったが、撮影で訪れたアフリカでターちゃんと出会い、17歳という若さで電撃結婚。
結婚当時はブロンドの長髪をなびかせる抜群のスタイルを誇っていたが、ジャングルでの自堕落な生活を経て、別人レベルの肥満体型へと変貌を遂げてしまった。
見た目もさることながら、作中では常に夫であるターちゃんを尻に敷く恐妻ぶりを披露。物語のなかでは強烈なツッコミ役として活躍しており、お気楽でゆるゆるとしたターちゃんをどつき飛ばすようなシーンも珍しくはない。
加えてとにかく金にがめつい守銭奴としての一面も強く、ターちゃんが出場するトーナメントではターちゃんをだしに大穴狙いの賭けをするなど、徹底した金銭欲で周囲を圧倒することもしばしばだ。だがその一方、彼女はターちゃんの負担を減らそうと野生動物の保護のため私設レンジャー隊を自費で創設するなど、懐の深い良妻でもある。
そのほか、複数の外国語をマスターしていたり、冷静に状況分析をするなど、一団の司令塔的なポジションとしても不可欠な存在だ。その度胸も一級品で、ターちゃんらと敵対する強敵相手にも物怖じせずに立ちはだかったりと、持ち前の芯の強さを幾度となく発揮していた。
激戦で傷つき迷うターちゃんを叱咤激励し、温かく包み込む。彼女こそが、誰よりもターちゃんを理解し、支え続けた「最高の伴侶」であることは、全読者が認めるところであろう。
■伝説の殺し屋もたじたじ?『SAKAMOTO DAYS』坂本葵
ある女性との恋をきっかけに裏社会から足を洗った“伝説の殺し屋”・坂本太郎を主人公に、彼が送る平穏な日常と、そこに忍び寄る数々の魔の手との戦いを描いた『SAKAMOTO DAYS』。
2020年より連載が開始された鈴木祐斗氏の大人気作品で、2025年にはアニメ化を果たし、そして今年4月には実写版映画の公開が予定されていたりと、大きな盛り上がりを見せている。
そんな本作において、彼が殺し屋を引退するきっかけとなった一目惚れの相手こそ、妻である坂本葵だ。黒髪を後ろでまとめ上げた清楚な美女で、現在は夫・太郎と共に「坂本商店」を切り盛りしている。一見するとマイペースで温厚な女性だが、元最強の殺し屋を夫に持つだけあり、一般人に比べてかなり肝が据わっている。
例えば、バスジャックに巻き込まれた際は夫である坂本を信じ切り、凶悪な犯人を前にしても一切動じない堂々たる態度を見せていた。また、過去には坂本に殺しを止めさせるため、あえて自らビルから飛び降りて命の重さを説くなど、伝説の殺し屋もたじろぐほどの思い切った行動を見せている。
怒ったときの迫力も凄まじく、坂本はもちろん、彼の仲間の1人・朝倉シンといった殺し屋ですら圧倒してしまうほど。
ちなみに、坂本とは“人を殺したら離婚”という家訓を設けている。彼も作中ではこのルールを徹底して守り、殺さずに多数の強敵を退けてきた。
伝説の殺し屋に足を洗わせ、数々の巨悪にも屈しない強靭な精神力を持つ彼女は、ある意味で物語における最強キャラクターの1人ではないだろうか。


