ボカロ世代に反響『超かぐや姫!』 竹取物語×VTuber文化が融合した新時代アニメの魅力とはの画像
『超かぐや姫!』キービジュアル (C)コロリド・ツインエンジンパートナーズ

 2026年1月22日からNetflixで独占配信されている、山下清悟監督による長編アニメーション作品『超かぐや姫!』が今話題になっている。

 これは現存する日本最古の物語といわれる『竹取物語』から着想を得た物語で、仮想空間、バーチャルYouTuber、ボーカロイドといったバーチャル文化を舞台のメインとしたSF作品だ。

 主人公の1人はバイトに明け暮れて学費を稼ぐ優等生の女子高生・酒寄彩葉(さかよりいろは)。彼女はある日、七色に光り輝くゲーミング電柱から生まれた赤ちゃんを拾うこととなる。それは月から来たかぐや姫だった。みるみる成長していったかぐやは、夢と希望に満ちた仮想空間「ツクヨミ」でライバー活動を始めることになる。

 物語の前半では、彩葉がプロデューサーとして音楽を作り、かぐやがライバーとして歌うことで2人がどんどん人気を獲得していくというサクセスストーリーが描かれる。

■日本だけじゃない、アジア各国で高く評価

 本作の配信開始直後、Netflixの「今日の映画TOP10」にて、日本で1位、韓国で4位、台湾で2位、香港で2位、タイで3位となり一気に話題を集めた。

 斬新な設定が光る『超かぐや姫!』の人気のワケは、『竹取物語』と現代のバーチャル文化をうまく組み合わせたキャッチーさや、各種キャラクターの「ツクヨミ」内でのアバターのかわいらしさ、個性的な人間性など多くある。

 中でも群を抜いて評価されているのが、映像表現の圧巻のクオリティだ。仮想世界の中は広大で美しく、バーチャルの世界らしいカラフルな世界観が用いられており、ライブシーンでは、本当に自分がライブを見ているかのようなリアルさもある。このライブパートは、何度も繰り返し見たくなる魅力があった。

 また「まさにクライマックス」と言わんばかりの、物語中盤にある怒涛のアクションシーンは、目で追えないほどのスピード感と迫力に引き込まれる。各々の武器を生かした戦闘にワクワクが止まらなくなり、作中で語られていない設定やキャラについてもっと知りたくなる。

 そして、映像面に加えて本作を語る上で忘れてはいけないのが、作中の音楽の魅力だ。「ボカロ」世代ど真ん中の人にはたまらない、時代を築き上げたryo (supercell)、yuigot、Aqu3ra、HoneyWorks、40mP、kz(livetune)といったボカロPが楽曲を提供している。彼らの曲はライブシーンの劇中歌に多用され、『ワールドイズマイン』など誰もが知っている曲も使用されている。

 ボカロ初期の人気曲が現代によみがえる懐かしさや、ヤチヨやかぐやによる「歌ってみた」でリアルタイム世代ではない若者たちにも、楽曲の魅力が伝えられる。『超かぐや姫!』はまさにバーチャル文化の強みを最大限に生かした作品といえるだろう。

 ストーリーの根底に重さはあるものの、現代人にとっつきやすく、キラキラした魅力的な要素が全部盛りの豪華な長編である。特に、何かを「推し」にして応援している人や、何かを創作している人、何かに悩み、自分自身と向き合っている人には、世代を問わず「刺さる」作品だろう。

 本作は公開されるや否や、さっそくSNSでも話題を集めており、作品の舞台が東京・立川市周辺ということで、聖地巡礼に訪れる人も多いようだ。

 その話題性もあって、『超かぐや姫!』は2月20日から1週間限定で劇場で公開されることも発表され、これを機にますます本作は話題を集めるだろう。『竹取物語』という有名な物語を現代にうまく落とし込み、エンタメに昇華させた見事な手腕を体感できる2時間22分を、ぜひその目で味わってほしい。

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