■クールな美貌と人間味が共鳴した『ハコヅメ』の藤聖子
2021年に放送され、多くの視聴者の心を掴んだドラマ『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』。泰三子さんの人気漫画を原作とした本作で、戸田さんが演じたのは「ミス・パーフェクト」の異名を持つ元エース刑事、藤聖子である。
本作での戸田さんは、原作ファンも納得する凛とした佇まいで、警察官としての圧倒的な有能さを体現した。
戸田さんが演じた聖子の魅力は、単にカッコいい女性という点に留まらない。仕事に対しては冷徹なほどの厳しさを見せながらも、後輩・川合麻依(永野芽郁さん)を温かく見守り、時には毒舌を交えたコミカルな一面も覗かせる。この多面的なキャラクター造形は、戸田さんの細やかな表情の演技があってこそだろう。
特にシリアスな事件現場での鋭い眼光と、宿舎で見せるどこかリラックスした姿とのギャップは、まさに藤聖子というキャラクターがそこに存在しているかのようなリアリティを生み出していた。
■毅然とした正義の中に潜む葛藤…『予告犯』の吉野絵里香
筒井哲也さんの漫画を原作とし、2015年に公開された映画『予告犯』。本作で戸田さんが演じたのは、エリート警部・吉野絵里香である。ネット社会の闇と格差問題を鋭く描いた本作において、吉野は法では裁けない悪人に過激な制裁を下す謎の犯罪者集団「シンブンシ」を追い詰めていく。
この役での戸田さんは、極めてクールで隙のないキャリアウーマンを演じている。1つ1つのセリフに重みがあり、感情をほとんど表に出さずに淡々と捜査を進めるその姿には、視聴者を圧倒するほどの凄みがあった。
しかし物語が進むにつれて、吉野は犯行の裏に隠された社会の歪みや、犯人たちの悲痛な背景を知ることになる。絶対的な正義を信じながらも、割り切れない想いに揺れる内面の葛藤を、戸田さんは叫びや疾走、わずかな視線の揺らぎや沈黙といった繊細な演技で見事に表現した。
原作が持つ社会派サスペンスの緊張感を損なうことなく、キャラクターに深みを与える演技を披露した作品である。
これまで、数々の実写化作品で視聴者の期待に応えてきた戸田恵梨香さん。彼女の女優としての凄みは、単なる外見の模倣に留まらず、キャラクターの内面や魂までも体現する、その圧倒的な表現力にあるだろう。
現在放送中の話題の日曜ドラマ『リブート』でも、物語の鍵を握る重要な役を演じている戸田さん。新作『地獄に堕ちるわよ』での細木数子さん役も、彼女の新たな代表作となることが期待される。実在した伝説的な人物を彼女がどのように演じているのか、その公開が今から待ち遠しい。


