■気になるマヤの恋の行方…速水真澄との関係の進展は?

 演劇バトルと並んで読者をヤキモキさせてきたのが、マヤの恋の行方である。

 物語が始まった当初、マヤの恋のお相手は劇団を通して知り合った少年・桜小路優だと思われていた。

 しかし、マヤを支援する“紫のバラのひと”こと、大都芸能の速水真澄の存在が徐々に大きくなり、やがて2人は互いに惹かれ合う仲となる。

 真澄は冷徹な仕事人でありながら、影ではマヤを支え続けてきた。長年のもどかしいすれ違いに、「いい加減にくっついて!」と叫びたくなった読者も多いだろうが、実は現在、2人の関係には劇的な変化が訪れている。

 コミックス48巻にて、マヤと真澄は豪華客船での一夜を通じて互いの想いを確認し合い、ついに事実上の“両想い”になった。年齢や立場の差を超えてやっと2人は結ばれた……かと思いきや、ここに立ちはだかったのが、真澄の婚約者・鷹宮紫織である。

 紫織は当初こそ優しく美しいフィアンセとして描かれていたが、マヤに嫉妬心を抱えてからは、物語をまるでサスペンス劇場のように変貌させた。真澄がマヤへの想いを自覚し婚約破棄を申し出たことで、紫織は心身のバランスを崩してしまう。

 そのことに責任を感じる真澄だが、コミックス49巻のラストでは思い切った決断を下している。これまで築き上げてきた地位、名声、結婚のすべてを捨て去る覚悟を見せ「おれはおれの人生を生きる…!」と車を走らせるのだ。向かう先は、マヤと2人で会うための伊豆の別荘と思われる。

 一方で、物語序盤から一途にマヤのことを思い続けてきた優は、何度も彼女に振り回された挙げ句、最終的に真澄にマヤを奪われてしまう。そのショックからバイクを運転中にトラックと衝突して全治2カ月の大けがを負い、「紅天女」の相手役である一真役の座さえ危ぶまれる事態に陥ってしまう。あまりに可哀そうな優だが、彼はその後、松葉杖をつきながらも舞台に立つ努力を続けている。

 このように、優や紫織の犠牲を払いながらも惹かれ合うマヤと真澄。大きな局面を迎えている2人だが、思い返してみると、“紫のバラのひと”の正体がバレるかバレないかとハラハラしていた初期の頃が懐かしい。

 いまだ家柄や社会的立場、会社の存続といった大人の事情が2人を阻んでいるものの、物語の最後には幸せな未来が待っていることを多くの読者が願っているだろう。

 

 連載開始から半世紀が経過してもなお、完結していない『ガラスの仮面』。コミックス50巻の発売は未定のままだが、物語は確実にクライマックスへ向かっていることは間違いない。

 少女時代にマヤと共に一喜一憂した長年のファンも、これから初めて本作に触れる新しい読者も、この不朽の名作の行く末を共に見届けたいものである。

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