昨年末、連載開始から50年という大きな節目を迎えた、美内すずえ氏による少女漫画の金字塔『ガラスの仮面』。本作は平凡な少女・北島マヤが、往年の大女優・月影千草に秘められた才能を見出され、演劇の世界で活躍していく物語である。
しかし、『ガラスの仮面』は長期休載が続いているため、物語の展開をあまり覚えていない人も少なくないだろう。マヤと亜弓のライバル対決は? 結局マヤは誰と結ばれるの? など、本作の行く末が気になっている人もいるはずだ。
そこで今回は、『ガラスの仮面』が現在どのような局面を迎えているのかを紹介したい。大人になった今だからこそ気になる「紅天女」の行方と“恋の結末”について、最新の情報を整理してお伝えしよう。
※本記事には作品の核心部分の内容を含みます
■マヤの最終目標「紅天女」の役は? 亜弓が演じる可能性も!?
『ガラスの仮面』は、主人公・北島マヤと、永遠のライバル・姫川亜弓が、伝説の舞台「紅天女」の主演を競い合う物語である。本作の最終着地は、紅天女を誰が演じ、どのような舞台になるかがテーマだ。
最新のコミックス49巻(2012年発売)時点では、実はまだ「紅天女」の試演には至っていない。マヤは奇才の演出家・黒沼龍三の、亜弓は劇団オンディーヌの演出家・小野寺一のグループにそれぞれ分かれて稽古をしている状況である。
最終的にはやはり主人公のマヤが紅天女を勝ち取ると予想されがちだが、物語はそう単純ではない。これまで演劇界のサラブレッドとして描かれてきた亜弓だが、稽古中の事故で頭部を強打し、なんと視力をほぼ失うという悲劇に見舞われるのだ。
そのうえ亜弓は手術を拒否し、目が見えないまま稽古を続行。視覚を失ったことで聴覚や触覚が研ぎ澄まされ、紅天女の心を掴むという執念の役作りを見せている。一方のマヤも持ち前の情熱をもって懸命に努力を続けているが、亜弓に起きた悲劇を考えると、まだ恵まれた状況にあるといえる。
視力を失いながらも、鬼気迫る演技で紅天女そのものになろうとする亜弓の姿は、痛々しくも美しい。いち読者としては「マヤに勝ってほしいが、亜弓も報われてほしい」という、複雑な感情を抱かずにはいられない。
ちなみに「紅天女」をどちらが演じるかの最終決定権は、マヤの絶対的な指導者である月影千草に決定権がある。千草はかつて「紅天女」を演じた大女優であり、重い病を患いながらも2人の演技指導を続けている。作中では肝心な場面で何度も倒れて死にかけているが、きっと物語の最後まで2人を見届け、後継者を指名するのだろう。完成した「紅天女」を見届ける千草の姿も見てみたい。
はたして、千草はどちらを後継者に選ぶのか。あるいは、2人それぞれが異なる「紅天女」を完成させるのか。半世紀を経てもなお、その結末は予測不能なままである。


