■コナン=新一と確信してしまった蘭
蘭にほぼ正体がバレていたという衝撃的な状況から始まる「命がけの復活」は、コミックス第25、26巻に収録されているシリーズである。このエピソードでは、蘭が「コナン=新一」だと気づいていながら、彼を泳がせて真実を告げるのを待っていたという前代未聞の展開が描かれた。
蘭が有希子の説明後にも疑い続けていたことに気づかず、その後もコナンは事件を解決し続ける。コミックス第23巻収録の「二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件」では、「一人にしないで…」と明らかにコナンを新一と重ねているシーンも見られる。そして「命がけの復活」シリーズの序盤で、蘭の疑いは確信へと変わる。
これ以前のエピソードで、コナンは犯人に銃撃されて重傷を負っていた。そして病院に緊急搬送され手術を受けることになった時、輸血が必要だと聞いた蘭は、ためらうことなく「わたしもこの子と同じ血液型ですから…」と申し出る。
本来であれば、蘭はコナンの血液型を知らないはずだ。だからこそこの一言は、彼女が「コナン=新一」だと確信していることをしめす、決定的証拠となったのである。
実際、この言葉を聞いた小五郎と阿笠は驚いており、コナンも「蘭… やっぱり… やっぱりお前…」と状況を察したようだった。
その後、コナンは一命をとりとめたものの、完全に正体がバレている状態。この状況を打開するため、コナンは灰原哀が開発した「APTX4869」の解毒剤の試作品を服用し、一時的に新一の姿に戻ることに成功する。
さらに、新一が姿を現している間は、灰原がコナンに変装するという念の入れよう。コナンと新一が同時に存在する状況を作り出すことで、ついに蘭の疑念を払拭することに成功した。
この一件では、その場限りのごまかしではなく、大がかりなトリックを用意し時間をかけてていねいに疑いを晴らしていった。おかげでこれ以降、決定的な正体バレの危機は訪れていない。
なんとか疑念を晴らしたコナンだが、蘭に正体がバレそうになる危機はその後もたびたび訪れる。推理に熱中するあまり、新一感が丸出しになってしまうことが多いせいだ。
「命がけの復活」シリーズ以降は決定的な窮地には陥っていないが、いつ正体がバレるか知れないというスリルは、本作に緊張感をもたらす要素の1つとなっている。


