■鬼なのに鬼の敵!? 鬼の能力を無効化する血鬼術「爆血」

 禰󠄀豆子の血鬼術「爆血」は、自身の血を燃やして爆ぜさせる能力だ。特筆すべきは、この炎が鬼の肉体や鬼が生み出したものに対して有効であり、人間には無害であるという点だろう。

 さらにこの術は、体内に入った鬼の毒を浄化する効果も持っている。「遊郭編」でこの爆血がなければ、炭治郎たちは上弦の陸・妓夫太郎の毒によって命を落としていたかもしれない。鬼でありながら、鬼の能力を無効化するその力は、まさに「人間を守る鬼」としての必然的な覚醒にも思えた。

 禰󠄀豆子が初めてこの術を発動したのは、「那田蜘蛛山編」である。下弦の伍・累との戦闘中、糸に捕われ、身動きが取れないまま眠りに落ちてしまった禰󠄀豆子。窮地に立たされた彼女のもとに母・葵枝の幻影が現れ、「今の禰󠄀豆子ならできる」と声をかけられたことで覚醒し、累の糸を焼き切った。

 血鬼術には、鬼の個性や人間だった頃に所縁のあるものが反映されることが多い。禰󠄀豆子の爆血は、“人間(家族)を守りたい”という温かくも強い気持ちがかたちになった術なのかもしれない。

■もはや最強? 無惨でもできなかった太陽の克服

 最強の鬼・無惨ですら、千年以上もの歳月をかけて成しえなかった太陽の克服。それを禰󠄀豆子は「刀鍛冶の里編」で達成した。

 本来、鬼は陽光に当たれば灰のように崩れて消滅してしまうが、禰󠄀豆子は朝日が昇る中、自らを犠牲にしてでも人間を助けようとした。陽光に身を焼かれる姿を見て、炭治郎は最期を悟ったほどだったが、結果的に禰󠄀豆子は太陽の下を笑顔で歩いて見せたのである。

 だが、なぜ禰豆子だけが太陽を克服できたのだろうか。作中、珠世は「この短期間で血の成分が何度も何度も変化している」「近いうちに太陽を克服すると思います」と予見していた。

 それと同時に、彼女が幼子のような状態でいるのは、「自我を取り戻すよりも重要で優先すべきことがあるのではないか」とも推察している。

 振り返ってみると初めから彼女は普通の鬼とはまったく異なる部分が多く、鬼でありながらひたすら人間を守り続けた。その「善性」が鬼としての特性をねじ曲げ、太陽克服という進化を遂げたのかもしれない。

 

 普通の鬼とは異なる能力を見せ続けた禰󠄀豆子。いまだ、禰󠄀豆子の能力については謎に包まれた部分も多いため、アニメ勢は禰󠄀豆子の今後の成長が楽しみでならないだろう。

 今後も劇場版で描かれる最終決戦で、禰豆子の謎がどのように解き明かされ、兄妹の絆はどんな結末を迎えるのか。そこに注目しながら、彼らの戦いを最後まで見届けたい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3