■味方もドン引きの「寄大蟲・虫食い」
蟲を操る油女一族の術には、危険で食らいたくない術が多い。その中でもとくに恐ろしいのが、「寄大蟲(きだいちゅう)・虫食い」である。
この術は、第四次忍界大戦で油女シノが十尾の分裂体に対して使用した。敵の体内から巨大な蟲が現れ、その肉体を食いつくすという凄惨な光景が描かれ、味方の山中いのも思わず「キモーッ!!」と叫んでいる。きっと多くの読者が、彼女と同じ気持ちになったのではないだろうか。
寄大蟲は、宿主が体内で与えるチャクラの量を誤ると、その肉を食らって急成長する。蟲のコントロールに長けたシノでさえ「寄生させておくのが難しい」と話すほどで、一歩間違えれば術者自身が餌食になる危険性もはらんでいる。
一度この蟲に寄生されたら、死の運命から逃れることはまずできない。虫が苦手な人にとっては、考えるだけでも寒気がする術だろう。
シノは他にも蟲を大量に使う術を複数所有しており、使い方によってはある意味最強だ。パワーバランスを考慮して登場回数が減らされたのではないか、という憶測もあるが、それも納得の強さである。
■精神的拷問の最高峰「月読」
イタチが使用する「月読(つくよみ)」は、見る者に恐怖を与える瞳術である。これは万華鏡写輪眼による幻術の一種で、通常の幻術とは比べものにならない絶大な力を持つ。
作中でイタチは、まず、はたけカカシに対してこの術を使用した。現実世界ではほんの数秒の出来事であったが、術を受けたカカシは心身ともに大ダメージを受け、戦闘不能に陥っている。
月読の精神世界でカカシは72時間ものあいだ磔にされ、刀で刺され続けるという拷問を体験させられていた。常人であれば精神が崩壊してもおかしくない状況だが、カカシは強靭な精神力でどうにか耐えた。イタチは弟のうちはサスケに対しても月読を使用し、彼のトラウマであるうちは一族滅亡の夜を追体験させるなど、過酷な精神攻撃をおこなっている。
このように、幻術の内容や体感時間の長さは術者が自由にコントロールできるので、対象に合わせた精神的拷問を際限なく行える。
まさに絶対にかかりたくない幻術であり、対策としては、目を閉じるなどしてイタチの目を見ないようにするしかない。だが、戦闘中にそのような行動をとるのは不可能に近いだろう。
今回紹介した術はいずれも特殊かつ強力で、そのほとんどが不可避である。術の内容を知らずに受けるのも、知ったうえで対処を迫られるのも、どちらにせよ地獄だ。
このように恐ろしい術が数多く存在する一方、作中にはナルトの「おいろけの術」のような、思わず笑ってしまうユニークな術も存在する。こうした忍術の多様性こそ、本作の大きな魅力の1つといえるだろう。


