■豪華ゲストの競演が見もの、家政婦は海外へも出向する!
本作は25年にわたる作品なだけに、出演したゲストも豪華絢爛であった。
吉行和子さん、大空眞弓さん、多岐川裕美さんといった大物女優たちが、プライドの高い奥様や姑を演じ、秋子と静かな火花を散らす様子は圧巻の一言。
また、秋子が所属する紹介所の所長を演じた野村昭子さんとのコミカルな掛け合いも忘れられない。放送が開始された当時は女性の社会進出がまだ珍しい時代であったが、結婚を選ばず家政婦として自立して働く秋子たちの姿は、今見返してみると先進的に見える。
シリーズで描かれるトラブルは、財閥の裏金や夫婦間の不倫といったものが多いが、中には母娘の確執を描いた回もある。
例えば、『銀座ー京都 虚飾と欲望に燃える美しい母娘の艶やかな秘密』では、元芸妓の母・花栄と、その娘の銀座クラブママ・江美が、老舗呉服屋の御曹司を巡って争うという、親子とは思えない壮絶な泥沼展開を見せている。
また本作の舞台は国内にとどまらず、海外ロケも敢行された。例えば『東京-ニューヨーク 超高層ビル買占め、名門出の若妻の危険な秘密』では、その名の通りニューヨークでの撮影がおこなわれ、夫の不倫を知った妻による壮絶な復讐劇が展開されている。
しかし、舞台がどこであろうと、相手が誰だろうと、秋子のスタイルは変わらない。常に物陰からひっそりと覗き見し、さまざまなスキャンダルを見事に暴いてみせるのである。
『家政婦は見た!』が四半世紀もの長期にわたり人気を博したのは、なんといっても市原悦子さんが作り上げた、「石崎秋子」という唯一無二のキャラクターの魅力に尽きるだろう。彼女が見ていたのは、いつの時代も変わらない人間の業そのものだったのかもしれない。
市原さんの逝去後も、本作が確立したフォーマットは数々の作品に影響を与えており、新たなエンターテインメントとして視聴者を魅了し続けている。


