■酒の「格」がそのまま反映されてる?

 そして、組織のナンバー2であるラムの存在が、この「格」の概念を決定づける。ラム酒は海賊たちが愛飲した「荒々しく強力な酒」というパブリックイメージがあるが、中には60度を超える「オーバープルーフ」という規格外の度数を持つ種類も存在する。この他を圧倒するパワーこそが、あのジンですら一目置く「あの方」の右腕・ラムの絶対的な実力を象徴しているのだろう。

 ここから推測されるのが、酒の背景や格に基づいた「階級」が存在する可能性だ。たとえば、潜入捜査官である赤井秀一の「ライ」や安室透(降谷零)の「バーボン」は、いずれも蒸留酒の王道たる「ウイスキー」の一種だ。長い熟成を経て完成するこの酒の名は、高い知略と単独行動を許されるほどの実力を備えた「超エリート」にのみ許された称号なのかもしれない。

 逆に言えば、コードネームを与えられない末端構成員との差は歴然としている。悲劇的な最期を遂げた宮野明美にコードネームがなかったのは、組織が彼女を「使い捨ての駒」としか見ていなかった証左に他ならない。コードネームを授かることは、組織の闇に深く関わる「本物のプロフェッショナル」として認められたことを意味するのだ。

 

 酒のコードネームに原作者・青山氏が仕掛けた、壮大なミステリーのピース。その全ての謎が解き明かされたとき、組織の真実という「劇薬」が白日の下に晒されることになるのだろう。

 

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