■競馬ゲームに海外勢も大熱狂!『ウマ娘 シンデレラグレイ』

 3作品目は、2025年の春・秋クールに放送された『ウマ娘 シンデレラグレイ』。株式会社Cygamesが手がけるゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』のスピンオフ漫画を原作にしたアニメで、カサマツトレセン学園出身のウマ娘・オグリキャップの歩みを追った物語だ。

 国内でも、主人公のオグリキャップが初勝利後のウイニングライブで披露した「カサマツ音頭」が話題となり、一時は実在する岐阜県の笠松競馬場に関連する「笠松音頭」のDVDセットが完売したというエピソードがあったほどの人気ぶり。

 『ウマ娘 プリティーダービー』自体のアニメは2018年からスタートして日本では大人気だったが、海外の大手レビューサイトではランキング圏外にいることが多かった。

 しかし、2025年に放送された『ウマ娘 シンデレラグレイ』は、海外の大手レビューサイト「Anime Trending」で毎週のようにTOP3に入る人気を見せた。

 これは運営元であるCygamesが、ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』のグローバル展開に踏み切ったことが大きな影響を及ぼしたと考えられる。『ウマ娘』にハマった海外ファンの熱量は非常に高く、日本の牧場へ牧草が贈られたり、自分の牧場にいる愛馬を“ウマ娘化”してイラストに起こしたりと、盛り上がりのかたちは多彩だ。

 その盛り上がりに呼応するように、アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』に関する海外レビューでは「競馬がこんなにエキサイティングだなんて知らなかった」「次の日曜が待ち遠しい!」といった声があふれ、アニメやゲームの垣根を超えた人気を象徴する作品として存在感を示していた。

■尊い百合の世界に魅了される『私を喰べたい、ひとでなし』

 最後の作品は、苗川采さんの同名漫画を原作とする『私を喰べたい、ひとでなし』。2025年秋クールに放送された本作は、人間と妖怪が交差する世界で、少女たちの美しくも切ない時間を描くガール・ミーツ・ガール作品だ。

 主人公は、幼い頃に家族を事故で失い、海辺の街でひとり暮らす女子高生・八百歳比名子(やおとせ・ひなこ)。凄惨な過去の記憶に縛られ、息苦しさを抱えながら希死念慮とともに日々を過ごしていた彼女の前に、ある日、汐莉(しおり)と名乗る海色の瞳の少女が現れる。汐莉は自らを「人喰い人魚」だと明かし、いつか比名子を喰らい尽くすことを約束するのだった……。

 海外レビューサイトのコメントやSNSの反応を追うと、「世界にはもっと百合アニメが必要だ!」「まさにパーフェクト」といった声が多く、日本発のガールズラブの心理描写や演出に惹かれた視聴者が目立つ。

 また、世界中のアニメファンが投票するサイト「AniLab」では毎週のようにTOP5入りを果たし、タイミングによっては『僕のヒーローアカデミア』や『SPY×FAMILY』を抑えて1位に立つほどの反響を見せた作品でもある。

 さらに、2025年の夏アニメで大きな話題を呼んだ『光が死んだ夏』と通じる“ジャパニーズホラー感”も、本作の海外支持を押し上げた要因と見られ、「心臓がドキドキした!」「暗くて悪魔的」「ホラーとロマンスが絡む作品だ」といった反応も目立つ。

 ゆっくり燃え上がるラブストーリーと、陰鬱とした展開が同居する独特の雰囲気に魅せられたレビューが多数投稿され、少女たちが惹かれ合うほどに漂う、不気味な緊張感に魅せられた海外ユーザーが多いようだ。

 

 大型タイトルが安定した存在感を示す一方、日本とは異なる評価軸によって海外でも注目を集めた作品が多かった2025年アニメ。2026年はどのような作品が国境を越えた支持を獲得するのか、その動向にも引き続き注目していきたい。

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