2026年冬アニメが続々と放送中だが、昨年2025年は、話題作やオリジナル作品が例年以上に出そろった豊作の1年だった。大型続編や、SNS発の企画、挑戦的なオリジナルアニメ、ゲーム原作作品など多様なタイトルが存在感を放ち、それぞれ異なる盛り上がりを見せた年でもある。
その熱量は日本国内にとどまらず、海外でも顕著だった。年間を通しての海外アニメランキングを振り返ると、『僕のヒーローアカデミア』『SPY×FAMILY』といった知名度の高いシリーズが上位を占める結果となったが、レビューサイトやSNSの反応を追っていくと、日本とは異なる評価軸で支持を広げた作品も少なくない。
本記事では、そんな2025年に海外で話題となった作品を4作ピックアップ。とくに日本以上に海外ファンの間で高い評価を獲得した作品を、背景や反響をもとに振り返っていきたい。
※本記事は各作品の内容を含みます。
■「アニメ愛が爆発してる!」異色のオリジナル作品『全修。』
まずひとつめは、アニメ会社・MAPPA制作の『全修。(ぜんしゅう。)』。2025年1月から3月にかけて放送されたオリジナルアニメで、タイトルの“全修”とは、アニメ業界用語で「オールリテイク」(作品全体の修正や撮り直し)を意味する。
物語の主人公は、幼い頃にアニメに救われ、天才新人監督として将来を嘱望されていた主人公・広瀬ナツ子。ある日突然異世界に転生してしまい、しかもその世界は、ナツ子が人生の原点として愛してやまない劇場アニメ『滅びゆく物語』の中の世界だった。アニメに救われたナツ子が、再びアニメの力で人々を救うファンタジー作品である。
当初は「アニメ制作のリアルを描くお仕事アニメ」という予想がされたが、第1話から異世界に転生し、なおかつアニメ制作のノウハウが融合された斬新な作風は国内でも注目を集めた。
その熱気は海外でも同様で、海外の大手アニメレビューサイト「Anime Trending」が集計するウィークリーチャートでは、最終話放送後には、当季の新作アニメの中で最高位となる健闘を見せた。まさにダークホースとして存在感を示す結果になった。
海外レビューを覗いてみると、「アニメの仕事かと思ったのに!」「いい意味で裏切られた!」とストーリー展開に驚く反応や、「日本のアニメ愛が爆発しているね」と、アニメへの愛で世界を救うというテーマに対し尊敬の意を込めたコメントなどが多数見られた。
大型の続編作品がひしめいた2025年の冬アニメの中で、オリジナルアニメとして輝きを放った本作。海外を含めた熱心なファンたちに大きな感動を与えた意欲作だったといえるだろう。
■痛快な下剋上ストーリーに海外も大盛り上がり!『ガチアクタ』
次に紹介するのは、裏那圭さんによる同名漫画を原作としたアニメ『ガチアクタ』。犯罪者の子孫たちが隔離されたスラム街に育った孤児・ルドを主人公に、「権力」「差別」「偏見」といった理不尽な現実に抗う姿を描くダークファンタジー作品だ。
2025年の夏から秋にかけて2クール全24話が放送された本作。アニメ化に際し、全世界16地域でグローバル先行上映会を実施するなど、海外展開を強く意識したプロモーションが行われていた。その影響もあり、もともと作品を知っていた既存ファンから新規ファンまで、海外を中心に高い支持を得たタイトルでもある。
カートゥーンを思わせる独特なビジュアル表現も特徴的で、背景や小道具、キャラクターの持ち物に至るまでグラフィティ調のデザインが施され、1カットごとに強烈な存在感を放つ映像が繰り広げられる。
また、下層から這い上がる痛快な下克上ストーリーは海外視聴者から高く評価されており、海外における日本のアニメ・マンガのデータベース兼コミュニティサイト「MyAnimeList」では評価8.3と高得点を記録。アメリカのアニメ専門ストリーミングサービス「Crunchyroll」の視聴ランキングでは、2025年夏クールにおける世界1位を獲得した。
グローバル同時配信により、放送直後から海外掲示板では活発な議論が巻き起こり、「アクションシーンがすごい」「ボンズのアニメーションは最高だね!」といったコメントとともに、本作のテーマ性や作画表現にも賞賛の声が多く挙がった。差別や格差、廃棄物といったモチーフが現代社会と重なり合う点も評価され、「ただ派手なだけではなく、心に刺さる作品だ」とするレビューも多い。
放送終了後すぐに舞台化が決定し、さらにテレビアニメ第2期の制作も発表されるなど、原作コミックスの人気とあわせて、海外でも高いポテンシャルを示す結果となった。


