■近年のアニメ作品で目を引いた旧世代機の活躍

 2022年から2023年にかけて放映されたテレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でも、旧世代機の活躍が描かれている。

 すでに第一線を退いている旧型MS「デスルター」は、巨大企業の集合体「ベネリットグループ」の御三家の1つ「ジェターク社」が開発した機体。現行機である「ディランザ」の前世代機にあたる。

 このデスルターは、武装組織「フォルドの夜明け」が提供されて運用。劇中でベネリットグループ総裁の暗殺のためにも用いられている。

 フォルドの夜明けには、ガンダムタイプの「ルブリス・ソーン」と「ルブリス・ウル」も提供されていたため、MS戦でデスルターが輝く場面は少なかったが、プラントへの攻撃や暗殺実行部隊の運搬などで地味に活躍していた。

 そして武装勢力がジャックした輸送船に偶然乗り合わせたグエル・ジェタークは、船員を救うためにデスルターに搭乗。テロを阻止しようとするが敵と間違えられ、実の父親が乗る「ディランザ・ソル」と戦闘になってしまう。

 そんなことを知らないグエルはデスルターの頭部を犠牲にすることで、ディランザのコクピットを貫いて撃墜。旧世代機が現行機に勝利した瞬間だったが、同時にグエルは父親を殺めてしまったことを知り、絶望するのだった……。

■旧型のボールが起こした奇跡

 OVA『機動戦士ガンダム第08MS小隊』の第1話に登場した「ボールK型」は、初期に生産されたタイプのうちの1つで、最初期のボールにあたる。

 『第08MS小隊』の劇中、ジオン軍のアイナ・サハリンが乗る「高機動試験型ザク」は、連邦のテリー・サンダースJr.の乗る初期型ジムを圧倒。友軍のピンチを目撃したシロー・アマダは、搭乗していたシャトルに搭載されていた旧式のモビルポッド「ボールK型」で出撃した。

 もともと作業用途で使われていたモビルポッドのため、主な武装は2連装機銃「フィフティーン・キャリバー」のみ。シローは宇宙空間に漂うデブリに身を隠しながらアイナのザクに近づき、作業用のワイヤーを射出。ザクを拘束すると、あろうことかボールで接近戦を挑む。

 そして、ほぼゼロ距離からフィフティーン・キャリバーを放った結果、ザクとボールは相打ちに。ジムを圧倒するほどの試作型ザクに対し、作業用の旧型ボールで相打ちに持ち込んだのは驚異の戦果といえるだろう。


 ガンダム作品に登場する旧世代機には、最新鋭の機体にはない魅力が存在する。活躍する場面は非常に限られるが、そのときの一瞬の輝きに魅了されるファンは少なくないのだろう。『ガンダム』シリーズには今回紹介した機体以外にも数多くの旧型機が登場するが、皆さんの心に残る旧式MSは何だろうか。

  1. 1
  2. 2
  3. 3