■ナメック星の絶望を払拭! 成長した悟飯が宿敵フリーザを秒殺

 最後は、1995年公開の劇場版『ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ』での名シーンだ。

 あの世の秩序が崩壊し、地獄の死者たちが地上へ蘇るという未曾有の混乱の中、かつての宿敵・フリーザが成長した悟飯の前に立ちはだかる。

 フリーザは目の前の青年が「あの時のガキ」であることに気づかず余裕を見せるが、彼が憎き悟空の息子だと知るやいなや態度を一変。「痛い目に合わせてあげなさい!」と、地獄から蘇った者たちを一斉に襲わせる。

 この時、フリーザが率いる軍勢には、ザーボンやギニュー特戦隊、さらにはパラガスやボージャックといった歴代劇場版の悪役キャラまで姿を見せており、ファンにとって堪らないオールキャストとなっていた。

 かつての脅威が一堂に会する絶望的な状況だが、青年になった悟飯はまったく物怖じしない。彼は超サイヤ人に変身することなく、軍勢を無視して一気にフリーザの懐に飛び込む。そして、腹部への強烈な一撃で宇宙の帝王を瞬殺。ボスの消滅を目の当たりにした兵士たちは、蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていった。

 ナメック星でクリリンの命を奪い、父・悟空さえも窮地に追い込んだ宇宙の帝王を、もはや敵ではないといわんばかりにたった一撃で粉砕する悟飯。彼の成長が凝縮されたこの渾身の一打は、当時の凄惨な記憶を共有するファンにとって、強烈なカタルシスをもたらす名場面となったのである。

 

 今回紹介したアニメオリジナル回や劇場版のシーンは、原作のパワーバランスを考慮すると、首を傾げてしまう描写が含まれているかもしれない。しかし、戦闘力のインフレの波に呑まれ、活躍の機会が減少していたキャラクターたちが、再び最前線で見せた輝きは、「彼らの勇姿をもう一度見たい」というファンの熱い思いに応えるものだった。

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