尾田栄一郎氏の描く大人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』(集英社)。壮大な物語の随所にさまざまな伏線がちりばめられており、それがいかなる形で回収されるのかも読者の注目を集めるポイントである。
物語は、ルフィ率いる麦わらの一味が主軸となって展開され、大切な仲間たちの素性やパーソナルな情報も少しずつ明かされてきた。しかし、中には意味深な伏線が残されたままで、多くの部分が謎に包まれている仲間もいる。
いまだ詳細な掘り下げがないキャラにはどういった謎が隠されているのか、気になっているファンも多いのではないだろうか。そこで今回は、麦わらの一味に依然残されている謎について、最近の連載の中で触れられた部分も含めて紹介していこう。
※本記事にはコミック未収録部分の内容を含みます。コミック派、アニメ派で作品を楽しんでいる方はご注意ください。
■初期メンバーなのに出自不明!? 「航海士ナミ」
麦わらの一味の航海士として、ルフィとともにあまたの冒険を経験してきたナミ。東の海編から登場し、ゾロに続いて2人目に加入した初期メンバーでありながら、本当の出自については物語が進んだ現在もいっさい明かされていない。
現在分かっているナミの過去は、養母であるベルメールに拾われた以降の話だけだ。海軍にいたベルメールは、ある戦場で赤ん坊だったナミと幼いノジコを発見し、自身も重傷を負いながら2人を抱えて命がけで救出した。
なぜ赤子のナミがその戦場にいたのか、両親は誰なのかといった根本的な謎は語られていないのだ。
麦わらの一味において、それぞれの家系が物語の重要な要素となるケースは少なくない。ルフィはいうまでもなく、サンジも実はヴィンスモーク家の王子であり、その家柄がきっかけで四皇ビッグマムとの抗争に発展した。あるいはナミの出自についても、今後の大きな展開に関連してくる可能性は十分考えられる。
とくに気になるのは、ナミが持つ「天候を読む」天性の才能である。天候をある程度予測する能力は航海士には必須ではあるが、アラバスタ編でビビが「まるで体で天候を感じ取っているみたい……」とナミの能力を形容したように、理論による予測だけでなく、単なる努力や経験では説明できない力を秘めている可能性もありうる。
また、魚人島で人魚姫にして古代兵器としての力を有するしらほし姫と会話した際には、初めて出会ったにもかかわらず、「何だかほっと致しますね」と言われたのに対し、ナミは「境遇が少し似てるからかな…」と発言。
シンプルに母親を失った共通点(ナミにとっては育ての母親)を指しているのか、それとも王族であることや、古代兵器とのかかわりなどを示唆しているのか、深読みしたくなる描写だった。
主要人物でありながら、ここまで過去が明かされないキャラは珍しく、彼女の出自には物語の根幹にかかわる“何か"が隠されていると思ったほうが自然だ。
■まさか世界貴族の関係者? 「音楽家ブルック」
麦わらの一味の音楽家ブルックは、陽気な骸骨のキャラクターとして親しまれているが、その過去には多くの謎が残されている。かつて西の海に存在した「とある王国」の護衛戦団の団長を務めていたことが明かされており、その後はルンバー海賊団の団長代理として活躍。しかし長年、この「とある王国」の詳細や護衛戦団の性質については具体的に描かれてこなかった。
そんな中、現在連載中のエルバフ編において衝撃的な描写が登場した。神の騎士団のひとりである「軍子」という人物が登場した際、「んーしかしあの女性…いやーそんなワケないか…」と意味深な反応を見せたのだ。
軍子も、ブルックがソウルキングというミュージシャン名義で出した楽曲『NEW WORLD』を好んで聴いているシーンがあり、彼女がブルックを捕縛した際には「生涯私の為に曲を作れ」「私の奴隷になれ」と謎の執着を見せていた。
神の騎士団は世界貴族に仕える最高位の戦力であり、そのひとりとブルックのあいだに接点がある可能性が示唆されたため、一気に彼の過去に注目が集まった。
軍子の過去の記憶の断片らしきものの中に、幼い軍子がブルックらしき人物と仲良く手を取り合っている場面もあり、かつてブルックが団長を務めていた護衛戦団と、軍子のあいだに何らかの接点があった可能性は高い。
時系列的には50年以上前の出来事ではあるが、神の騎士団は不老になるらしく軍子とブルックに面識があったとしても不思議はない。ブルックの過去と世界貴族をつなぐこれらの伏線が、今後の物語でどのように回収されるのか大いに注目される。


