■暴れん坊将軍がライダーと奇跡の共演『仮面ライダーオーズ/OOO』松平健

 最後に挙げたいのが、2011年公開の映画『劇場版 仮面ライダーOOO(オーズ) WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』に登場した松平健さんである。「とんでもない大物」という言葉が、これほどまでにしっくりくるキャスティングも稀であろう。

 本作が公開された2011年は、東日本大震災に見舞われた年でもあった。そんな重苦しい世相の中、「ヒーローが日本を元気にする!」というキャッチコピーを掲げて描かれたのが、恐竜や侍が登場し、時空を超えて過去と現代が交錯するこの物語だ。

 そして、その中心に現れたのが、江戸幕府の八代将軍・徳川吉宗。言うまでもなく、あの「暴れん坊将軍」その人であった。

 松平さんはオファーを受けた当初、「なぜ自分に?」と、強い驚きを覚えたという。しかし出演を決めた背景には、子どもたちが時代劇に触れる機会が減っている現状への思いがあった。「この機会に、時代劇に親しんでもらえたら」。そんな願いを込めての快諾だったとのちに語っている。また、自身の子息がこの出演をとても喜んでいたというエピソードも、心温まるものだ。

 劇中では、絶体絶命のピンチに陥った火野映司の前に吉宗が颯爽と現れ、中世の騎士たちを相手に見事な殺陣を披露する。さらに、仮面ライダーのバイクと吉宗の白馬が並走するという、シリーズ史上屈指のインパクトを誇る衝撃シーンが実現した。

 徳川家に伝わるメダルを授かり、オーズが新たなコンボへと変身する流れも含め、まさにお祭り感あふれる豪華な作品となった。

 

 今回紹介した3名に共通しているのは、単なる豪華ゲストという立場にとどまらず、特撮というジャンルに本気で向き合い、結果として作品をよりゴージャスに、より面白いものへと押し上げた点だろう。だからこそ、彼らの存在は時を経た今も色褪せることなく、ファンの間で語り継がれているのである。

 次に現れるのは、一体どんな「とんでもない大物」なのか。そんなワクワクを胸に、これからも『仮面ライダー』シリーズの世界を楽しんでいきたい。

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