ひょっとこ面を着けるのはなぜ? 女性が登場しない理由は?『鬼滅の刃』鉄壁のシステムを誇る「刀鍛冶の里」の知られざる秘密の画像
『鬼滅の刃』フィギュア-絆ノ装-参拾伍ノ型「鋼鐵塚蛍」(バンプレスト)(c)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 吾峠呼世晴氏の『鬼滅の刃』は、今や日本を代表する漫画の1つである。『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』はロングランヒットを記録し、昨年11月には全世界興行収入が1000億円を突破するという、日本映画史上初の偉業を成し遂げた。まさに歴史に残る作品と言えるだろう。

 そんな本作において欠かせないアイテムといえば、鬼を滅殺するために使用する武器「日輪刀」だ。太陽に最も近い山「陽光山」で採取した特殊な原料から造られるこの刀は、鬼を倒せる唯一の武器とされている。

 そして、その日輪刀を製造する「刀鍛冶の里」は、多くの謎に包まれた場所であり、鬼殺隊の隊士ですらその所在を知らないほどだ。

 そこで今回は、この「刀鍛冶の里」に注目して、里の盤石感あふれる鉄壁のシステムと、そこに隠された秘密を深掘りしていこう。

 

※本記事には作品の内容を含みます

 

■鬼殺隊剣士も知らない里への道順…巧妙な案内システム

 作中、主人公の竈門炭治郎は、担当の刀鍛冶である鋼鐵塚蛍に会うため「刀鍛冶の里」を訪れている。

 里に向かう際、炭治郎は鬼殺隊の事後処理部隊「隠(カクシ)」の隊員に目隠しと耳栓をされた。さらに嗅覚が鋭い彼には特別に鼻栓まで用意するという徹底ぶりだ。このように外部からの情報を遮断した上で、炭治郎は何人もの隠にリレー方式で背負われ、ようやく里にたどり着く。

 「刀鍛冶の里」は、鬼を倒すために不可欠な「日輪刀」を製造する重要な拠点である。そのため、鬼の襲撃に備え、その場所は巧妙に隠されているのだ。

 炭治郎を運んだ隠たちも里までの正式なルートは知らず、案内役の鴉の指示に従い、割り振られた区間を移動したにすぎない。鬼殺隊士にすら場所を悟られないようにするだけでなく、案内役の鴉も含め、受け持つ場所は頻繁に交代しているという。

 もちろん、里からの帰路も同様の手順が踏まれる。この厳重な情報管理体制には、炭治郎も思わず、「頭がいい人ってすごいね!」と感心したほど。それだけ精巧な案内のシステムが構築されているのだ。

■鬼の襲撃に備えた布石…いくつも設置されている「空里」

 前述の通り、鬼殺隊でもごく一部の人間しか場所を知らず、鬼の襲撃を避けるため、厳重に隠されている「刀鍛冶の里」。だが、その備えは場所を隠すだけにとどまらない。

 万が一の事態に備え、緊急時に移転するための「空里」がいくつも用意されていることが作中で明かされており、鬼に場所がバレた時や襲撃を受けた時、すぐに拠点を移す準備ができているのである。

 鬼と戦い続けている隊士たちにとって、日輪刀のメンテナンスは必須だ。もしも現在の里が襲われても、新たな拠点で滞りなく日輪刀の製造や整備をおこなうことができるよう、布石が打たれているのである。

 実際に「刀鍛冶の里編」では、上弦の肆・半天狗と上弦の伍・玉壺の襲撃に遭い、里は壊滅的な被害を受けた。しかし、刀鍛冶たちは即座に空里へ拠点を移して体制を立て直しており、その機動力の高さはさすがと言わざるを得ない。

■柱の訓練にも使える技術の結晶…戦闘訓練用絡繰人形「縁壱零式」

 「刀鍛冶の里」の技術の高さを象徴するものの1つが、戦闘訓練用絡繰人形「縁壱零式」だろう。

 霞柱・時透無一郎が自身の鍛錬に用いるほど精巧に造られた「縁壱零式」は、かつて実在した剣士をモデルに造られている。その剣技を再現するため、この絡繰人形は腕が6本あるという特殊な構造をしている。

 「縁壱零式」が製造されたのは戦国の世。すなわち何百年も前に造られたものだが、その技術の高さは凄まじく、現在の所有者である少年・小鉄が「壊れてしまったらもう直せない…」と、時透の使用を拒むほどであった。

 鬼殺隊の最高戦力・柱の訓練相手として十分な戦闘力を備えた「縁壱零式」の存在から、里の職人たちが刀鍛冶だけでなく、精巧な絡繰人形を制作する技術も非常に高いことがうかがえる。

 このような素晴らしい技術力を誇る里だからこそ、「日輪刀」という唯一無二の武器を作り上げることができたのだろう。

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