『マクロス』『アクエリオン』シリーズなどで知られる河森正治監督によるオリジナル長編アニメーション『迷宮のしおり』が公開中だ。スマートフォン内の世界に閉じ込められた女子高生・栞が、現実世界に現れて騒動を巻き起こすもう一人の自分・SHIORIを止めようとする青春譚で、「歌」「SF」「三角関係」という河森作品の“三種の神器”がそろった作品になっている。
本作で主演を務めたのはダンスボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」のSUZUKAさん。本作が声優初挑戦となった彼女に話を聞いた。
――『迷宮のしおり』で主人公の声、栞ともうひとりのSHIORIを担当しました。完成作を観たときはいかがでしたか?
SUZUKA:収録しているときはスケッチ段階だったんです。お母さんのキャラクターも坊主のマネキン状態だったりして。そんな状態でアフレコしていたので、まずは完成された絵を観たときに、自分の中での想像を完全に超えたクオリティなのに驚きました。河森監督をはじめ、チームのみなさんがここまでの世界をイメージしていたことに、「この人たちやばいな!」と。
――(笑)。
SUZUKA:これが頭の中にあったんだと。完成した作品は、自分たちのセリフはもちろんだけど、音楽が足されたり、ストーリーもいろんな伏線が回収されていって。「ここで、このワンシーン入るのは、ここで回収されるためなのか。建築家ですか!」と。レイヤーとトラックがいっぱいあって、ひとつのビルを作るためには、すごい計算とパーツが必要なんだと感じるアニメーションの世界でした。
――本編には、SHIORIのライブシーンが登場します。SUZUKAさん自身、これまでにたくさんのステージに立ってきました。公式YouTubeチャンネルで拝見できる映像を見ても、特に海外でのライブなどは観客のみなさんの反応もすごいです。ステージ上からはどんな景色が見えているのでしょうか。
SUZUKA:なんて言っていいのか。とにかくすごいです。その場所、状況によってもちろん感じるエネルギーは全然違うんですけど、2024年に、ワールドツアーを世界33都市でやりまして。国によって、本当に全然違うんです。
たとえばロンドンとかだと、グッズ関連の服を着ている人はほぼいなくて、革ジャン姿で純粋に音楽を聴きに来ている感じ。セットリストでも、音楽的なテクノが入っているようなところで沸くんです。
――そうなんですね。
SUZUKA:「コーチェラ・フェス」(アメリカで開催される世界最大級の野外音楽フェスティバル)に出ているときの感覚に若干近いというか。試されているような気分にもなるんです。だからこちらも挑むような、戦うような気持ちになってきて、それも楽しくて、「よっしゃー!」ってめっちゃ興奮します。
――ほかに印象的な国は。
SUZUKA:メキシコなんかの場合は、みんなコスプレして来ます。日本のアニメカルチャーを好きな人が多くて、そうした文化を通して学校のリーダーズのことも愛してくれている人が多い。歌詞もフルに覚えていて、私が少しでも目線を送ったり、アクションを起こしたりすると、そこで全体が「きゃー!」と沸く。すごいんですよ。のけぞって、イナバウアーしちゃうんじゃないかっていうくらい。熱気のすごさを食らいました。
――日本でもそうですが、SUZUKAさんは、ご自身から客席にダイブしていきますよね。
SUZUKA:初期はそんなじゃなかったんですけど、ここ2~3年はそうですね。ステージに収まっていることが耐えられなくなってきて。お客さんにむちゃくちゃにされたい!と。
――(笑)。
SUZUKA:あなたたちのエネルギーをもっと沸騰させたいし、私はそれに熱狂させられたいんだ! という気持ちが先走ってしまった結果です。日本のファンのみなさんは真面目なので、ちゃんと受け止めてくれるし、道も作ってくれますけどね。私の気持ちとしては、アドレナリン全開なので、髪の毛がちぎれても、血が出てもいい! って感じです。マネージャーさんに止められますけど。


