『鎧伝サムライトルーパー』から37年…令和の新作『鎧真伝』を昭和アニメファンはどう観たのか 「スタイリッシュだけど懐かしい」その中身【先行上映会レポート】の画像
『鎧真伝サムライトルーパー』メインビジュアル (C)SUNRISE
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 2026年1月6日(火)より分割2クールでの放送・配信がスタートする新作アニメ『鎧真伝サムライトルーパー』。本作は1988年(昭和63年)に全39話が放映されたテレビアニメ『鎧伝サムライトルーパー』の正統“続編"として製作された作品だ。

 昭和版『サムライトルーパー』は、邪悪な帝王・阿羅醐(アラゴ)率いる妖邪の軍勢から人間界を守るため、運命に導かれた5人の少年たちが「鎧擬亜(ヨロイギア)」をまとって戦う物語。

 鎧を筆頭に、「和」のテイストをふんだんに取り入れた独特の世界観に加え、美少年5人の活躍が多くの女性ファンを魅了し、当時社会現象まで巻き起こした。

 その『サムライトルーパー』が37年ぶりに『鎧真伝』として令和に復活。現在の新宿を舞台に、かつて人間界を恐怖に陥れた妖邪界の封印が解けるという完全オリジナルストーリーが展開される。

 そして2025年12月23日、その『鎧真伝サムライトルーパー』の先行上映会が新宿ピカデリーにて開催された。昭和に放送された『鎧伝サムライトルーパー』の熱狂を目の当たりにしてきた筆者もこちらに参加し、さっそく『鎧真伝サムライトルーパー』の1話から3話までを鑑賞してきた。

■スタイリッシュさに内包された「いい意味での昭和感」

 『鎧真伝サムライトルーパー』の第1話、やはり「新宿」を舞台に始まる展開は、当時リアルタイムで見ていた筆者には感慨深い。今作では現在の新宿の風景が詳細に描かれており、前作のファンならスタジオアルタ(現・ALTA)周辺の風景の変化を比べてみるのも面白いだろう。

 また、本作のメインビジュアルを見ても分かる通り、「サムライトルーパー」として活躍する5人は個性的なイケメンぞろい。作画も令和の作品としてスタイリッシュに描かれている。

 ヒーローに対する疑問や葛藤……少年たちの苦悩が等身大で描かれるシリアスなストーリーが展開される一方、コミカルな場面での緩急もあり、肩ひじ張らずに楽しめた。

 そして何より、息を呑むような映像の美しさとハイクオリティなアクションシーンは圧巻。特に戦闘シーンと変身(武装)シークエンスのかっこよさは際立っていた。

 12月23日に公開されたばかりの「本PV第二弾」の中でも確認できるが、前作でも人気だった武装時に反物(着物の布)や桜の花びらが舞う演出もしっかり継承されており、「やはりこうでなくては!」と思わず頷かされる。

 また敵陣営のキャラクターも、ヒーローと同等以上に注目が集めそうだ。前作では、朱天童子をはじめとする四魔将と、紅一点の迦遊羅(カユラ)が人気を集めていた。

 今作『鎧真伝』では、妖邪界を支配する新たな帝王・羅真我(声・小西克幸さん)が従える「十勇士」が登場。サスケ(声・佐藤拓也さん)やサイゾウ(声・鳥海浩輔さん)をはじめとする個性豊かなメンバーがそろい、「真田十勇士」の名を冠する彼らの活躍にも期待が高まる。

 そして先行上映会の後半は、凱役の石橋陽彩(ひいろ)さん、上杉魁人役の榎木淳弥さん、北条武蔵役の村瀬歩さん、石田紫苑役の熊谷健太郎さんらが登壇。さらに特別ゲストとしてEDテーマ曲『POWER』を歌う8人組ボーイズグループ「ONE OR EIGHT」のTUBASAさん、REIAさん、TAKERUさんの3人も駆けつけ、終始笑いに包まれたトークが展開された。

 その中で武蔵役の村瀬さんは、今作について「スタイリッシュだけど、いい意味での昭和感というか懐かしい感じもあって」「昔から(サムライトルーパーを)好きでいてくださる方もきっと満足いただけるんじゃないかなって個人的に思いました」と語っていた。


 『鎧真伝サムライトルーパー』は、37年前に放送された前作『鎧伝』の要素を“意外なかたち”で継承しつつ、ところどころで昭和的な泥臭いテイストも盛り込まれている。そのため前作のファンに懐かしさと驚きを与え、新規ファンには伝説の名作の魅力に触れるいい機会になりそうだ。

 新旧アニメファンも大注目の第1話は、2026年1月6日からTOKYO MX、関西テレビ、BS11などで順次放送となる。

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