2026年公開の劇場版『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』で話題の「風の女神・萩原千速」は何者なのか…殉職した萩原研二、松田陣平との関係性も要注目の画像
劇場版『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』ティザービジュアル (C)2026 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 1994年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載が続く青山剛昌さんの『名探偵コナン』は、世代を超えて愛されるミステリー漫画だ。

 本作の魅力のひとつは、数多くの個性豊かなキャラクターたち。中でも、近年ファンの注目を一気に集めたのが、神奈川県警の白バイ小隊長にして「風の女神」と呼ばれる萩原千速である。原作での登場から日は浅いものの、2026年公開予定の劇場版『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』で中心人物になるとみられ、その人気の高さがうかがえる。

 圧倒的な存在感、警察学校組との深い関係、そして「風の女神」という印象的な呼び名。今回は、なぜ千速がこれほどまで期待されているのか、その魅力と背景を紐解いていきたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます 

■風の女神・萩原千速の人物像と「警察学校組」との関係

 千速は、神奈川県警交通部第三交通機動隊に所属する警部補である。白バイを駆って風のように走り抜ける姿が象徴的で、それが毛利蘭による「風の女神様」という呼び名につながっている。ロングヘアと凛とした立ち姿が印象的で、仕事に対して妥協のない姿勢もまた彼女の強さを際立たせている。

 同じ神奈川県警の横溝重悟警部とは旧知の仲であり、ひそかに彼から好意を寄せられている描写もあるが、千速本人は恋愛に流される気配はない。自分の中にある“揺るがない軸”を貫く、芯の強さを持つ女性として描かれている。

 千速の物語を語るうえで欠かせないのが、弟・萩原研二の存在である。研二は、降谷零(安室透)や松田陣平らと同期の「警察学校組」の一員であり、爆発物処理班として殉職した人物だ。警察学校組は劇場版『ハロウィンの花嫁』でも重要な役割を担っており、ファンから強い支持を受けているグループでもある。

 千速は研二の姉であるだけでなく、その親友で同じく殉職した松田の“初恋の相手”でもあった。千速の存在は、警察学校組のメンバー間の関係性を立体的に浮かび上がらせる。彼女は、彼らの絆を象徴する“残された者”として、物語に静かな重みを与える存在なのだ。

 2026年の劇場版の特報で千速が口にする「あの日、お前は何を伝えたかったんだ」というセリフは、研二や松田の死と向き合う物語が動き出す合図にも感じられる。時限爆弾のような映像など、警察学校組の“爆発事件”をほうふつとさせるカットが並ぶことから、過去の悲劇が再び掘り下げられる可能性は高い。

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