『今日から俺は!!』橋本環奈に『スケバン刑事』松浦亜弥も…実写化作品で「可愛すぎるスケバン女子」を演じた女優たちの画像
橋本環奈 写真/ふたまん+編集部

 かつて「スケバン」は、昭和後期の不良文化を象徴する存在としてブームを巻き起こした。長いスカートに鋭い目つきという強烈なビジュアルで恐れられつつも、どこか可愛らしく愛嬌がある。

 そんな独特の魅力を放っていた彼女たちだが、今や街ではその姿を見ることはなくなった。もはや、“絶滅危惧種”といっても過言ではないだろう。

 しかし、映像作品の中ではスケバン像が時代ごとに新たな解釈で描かれ、蘇り続けている。今回は、その中でも「可愛すぎる」と話題となった3人のスケバン女子を振り返っていこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■「迫力×ぶりっ子」の最強ギャップ!『今日から俺は!!』橋本環奈

 まずは、2018年放送のドラマ『今日から俺は!!』で橋本環奈さんが演じたスケバン・早川京子である。濃紺ロングのセーラー服に黄色いスカーフ、外巻きのロングヘアという「80年代スケバンの王道スタイル」がバチッと見事に決まっている。

 成蘭女子高校の“頭”という、不良としての迫力は申し分ない。普段の橋本さんからは想像もつかないドスの効いた声や鋭い表情に加え、視聴者が「そこまで振り切っちゃう!?」と心配になってしまうほどの変顔まで披露。本作ならではの“スケバン感”を、これでもかと見せつけた。

 そして、京子最大の魅力が、恋人・伊藤真司(伊藤健太郎さん)の前で突然切り替わる「ぶりっ子モード」だ。喧嘩の直後とは思えないほど甘えた声色に変わり、堂々とイチャつき始めるそのギャップは、笑いを誘うバカップルの名物シーンとなった。

 本作は、キャスト同士のアドリブが名物となった作品でもある。橋本さんと伊藤さんのラブラブな掛け合いも、実はその多くがほぼアドリブだったという。

 橋本さんが“ほとんど相談はしていない”と語るように、京子というキャラが完全に体に染みついていたからこそ、自然に生まれたテンポ感だったのだろう。現場で見ていた共演者の清野菜名さんも、“緩急がすごい”、“視聴者目線で楽しませてもらっていた”と、感心していた。

 「迫力」と「可愛さ」をここまで自在に行き来できる女優は稀有な存在だろう。橋本さんが演じた早川京子は、今なお強烈に記憶に残る「可愛すぎるスケバン」の代表格だ。

■アイドルが放つクールな新生スケバン像!『スケバン刑事』松浦亜弥

 2006年に公開された映画『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』で、当時トップアイドルだった松浦亜弥さんが主演に抜擢された際、多くの人が「あの“あやや”がサキを演じるの!?」と驚いたはずだ。

 80年代のドラマ3部作ではロングスカートのサキ像が定着していたが、松浦さんは短めスカートの黒いセーラー服で登場。よりシャープで現代的なそのシルエットは、「新しいスケバン刑事」の誕生を鮮烈に印象づけた。

 タイトにまとめたポニーテールと鋭い眼差しが相まって、ただ立っているだけで圧倒的なオーラを放つ。普段の柔らかいアイドルスマイルから一転、クールで凛とした表情を見せる姿は、まさに“新生サキ”そのものだった。

 終盤の本格的な戦闘シーンでは黒のボディスーツに身を包み、伝統のヨーヨーアクションをスピード感たっぷりに披露。中でも注目すべきは、同じハロー!プロジェクトに所属していた石川梨華さんとの「ヨーヨー対決」だ。アイドル同士とは思えないほど真剣な火花が散るこの場面は、作品の中でも屈指の見どころとなっている。

 松浦さんは、リアルタイムでは過去作を視聴していない世代であったことから、あえて“過去作を見ない”というアプローチで役作りに臨んだ。監督から“新しいものを作りたい”と託されたことで、先入観なくゼロからキャラクターを立ち上げていったという。

 制作陣はヨーヨーを投げる瞬間のスカートの広がり方にまでこだわり、松浦さん自身もダンスで培った経験を活かし、キメポーズなどのスタイリッシュな動きを“見て覚える”スタイルで吸収していったという。

 美しさと強さが絶妙に共存する松浦亜弥さん版麻宮サキは、伝統のシリーズに新しい風を吹き込んだ、革新的なスケバンだったといえるだろう。

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