染谷将太に“人生ベスト”な作品を質問!「ゲームで感動して泣いたのは初めて」だった人気シリーズ、『名探偵コナン』の異色の名作も…の画像
『果てしなきスカーレット』メインビジュアル ⓒ2025 スタジオ地図

 これまでも『バケモノの子』などの細田守作品でボイスキャストを務めてきた俳優の染谷将太さん。そんな染谷さんが声優として出演した最新作『果てしなきスカーレット』が公開中です。今作が細田作品4作目となる染谷さんに、アニメの魅力や本作から感じたこと、また、ご自身がこれまでにハマったゲームや思い出のアニメについてなども教えていただきました!

【第2回/全2回】

――今回の『果てしなきスカーレット』は、「2D」や「3DCG」といった枠に収まらず、新たなアニメーション表現に挑戦されています。染谷さんはアニメーションの持つ力や魅力をどんなところに感じていますか?

染谷将太(以下、染谷) 「リアリティの違い」ですね。アニメはアニメの、実写には実写のリアリティがそれぞれにあって、実写で求められるリアリティと、アニメで求められるリアリティは全然違うんです。

 そこがすごく面白いなと思っていて、アニメの世界観は、まず一つの世界を作り上げて、それが成立すると、その中で「じゃあ何がリアルで、そうでないのか」ということが、その世界ごとで違うなと感じています。

――それぞれのアニメ作品の世界観の中で成立する「リアリティ」ということですね。

染谷 その土台を作ることも難しいことだと思いますし、その世界観の土台に説得力がないと、その中でいくらリアリティを持っても説得力がなくなってしまうので、本当に不思議な世界だなと思います。

 あとは、時間の切り取り方も全然違うなと思いますね。例えば、空間を移動しているスピード感のことでいうと、その人が3秒走ったときに背景がどれくらい動くかで、時間感覚が全く変わるんです。お芝居のリズムも、実写では成立しないけど、アニメだと意外に成立してしまうようなリズムがあるので、変幻自在な世界だなと思います。

――映画を観て、宿敵に復讐を果たすため、「死者の国」を旅するスカーレットの姿や、彼女の選択したラストも含めて「相手を赦す・自分を赦すとは?」ということを考えました。

染谷 自分はそこにすごく衝撃を受けました。人が人を憎んだり、戦争が起きたりする世の中で、相手を赦すことでみんながハッピーになれるかも、と思っていたんです。だけど、人を赦す前に、まず自分を赦していくことが、一番説得力があるなということに気づかされましたし、その大切さをこの作品から学びました。また、そこに込めたメッセージがすごく素敵なんです。

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