■無惨を戦慄させた究極の自己犠牲
そして、耀哉の非情さが最も際立つのが、自爆作戦の際、自らの妻と娘2人を巻き添えにしたことだろう。
ついに産屋敷邸の居場所を突き止め、乗り込んできた無惨。だが、不意のタイミングで屋敷が爆発し、かなり困惑していた。耀哉が隣にいた妻・産屋敷あまねや庭で遊んでいた2人の娘とともに自爆したことに対し、「妻と子供は承知の上だったのか?」と、至極真っ当な疑問を抱いている。
そもそも、なぜ耀哉は妻子とともに爆発しなければならなかったのか。作中、この作戦の具体的な意図が語られることはなかったが、公式ファンブックによれば、妻子3人が耀哉から離れず、自らの意志で彼と運命を共にすることを選んだことが明かされている。
これは、彼が隊士だけでなく家族からも深く愛され、慕われていたことの証だろう。しかし、最終的に耀哉がそれを承知したのは、家族を巻き込むことで無惨の警戒を解き、作戦を成功させるためという側面も否定はできない。
鬼舞辻無惨を倒すという千年来の悲願を達成するため、そして、多くの隊士を率いる指導者として、耀哉が心を鬼にして下した決断は一度や二度ではなかったはずだ。その非情ともいえる判断が、時に彼が異常なほど冷酷な人物だと感じさせる要因だろう。
ただし、彼の生き様は結果として多くの隊士を鼓舞することとなる。やはり耀哉はどこまでいっても「理想の指導者」と呼ぶにふさわしい人物なのである。


