『ONE PIECE』インペルダウンに『北斗の拳』カサンドラ… 少年漫画に描かれた「脱獄不可能な監獄」最も手強いのはどれだ?の画像
『ONE PIECE』Log Collection “IMPEL DOWN"[DVD](エイベックス・ピクチャーズ)(C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 バトル漫画において、監獄や刑務所は魅力的な舞台装置の1つである。仲間を救い出したり、自分の力を誇示するためにあえて脱獄したりと、その異質な環境が予測不能な展開を生み出していく。

 また、監獄のセキュリティが厳重であればあるほど、そこに収容されたキャラの強大さ、凶悪さも際立つ。彼らを拘束するために特別な設備が整えられていること自体が、その実力の証明となるからだ。

 監獄は立地や構造、警備体制、そして強力な看守によって、脱獄できないよう設計されている。特に凶悪な犯罪者を収容する施設は、まるで難攻不落の要塞のようだ。

 今回は、そんな「脱出不可能」と名高い監獄たちをいくつか紹介していこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

■侵入も脱獄も困難なインペルダウン

 尾田栄一郎氏による『ONEPIECE』(集英社)に登場する監獄といえば、世界一の海底大監獄「インペルダウン」である。

 囚人が閉じ込められている階層は全部で6つ。刑の重さによって収容される階層が異なり、各階層ごとに環境が大きく異なる。

 入獄前に100度の熱湯に突き落とされ、煮沸消毒される「地獄のぬるま湯」を通り過ぎると、内部には「紅蓮地獄」が待ち構え、その後は「猛獣地獄」、「飢餓地獄」、「焦熱地獄」、「極寒地獄」と続き、終身囚や死刑囚が収容される最下層「無限地獄」に至る。また収容される能力者は、海楼石の手錠によって能力を封じられてしまう。

 この監獄への侵入および脱獄はほぼ不可能とされている。到達するには、政府専用の「タライ海流」に乗る必要があり、そのためには「正義の門」が開かれなければならない。つまり、政府側の協力なしに単独で侵入することは極めて困難だ。

 それに加えて、前署長のマゼラン(現在は副署長)は「ドクドクの実」の能力を持ち、モンキー・D・ルフィすら倒したほどの実力者である。脱獄がバレたら、即刻処刑されてしまう……。

 ルフィは自ら監獄に侵入したあと、自力で脱出することができたが、それも内外に協力者がいた上、運にも恵まれたからだ。もし彼自身が囚人として収容された状態からのスタートだとしたら、脱出は不可能に近かっただろう。

■海底にミサイルの発射口…『バキ』最凶死刑囚編の刑務所

 板垣恵介氏による『バキ』(秋田書店)の最凶死刑囚編では、5人の死刑囚がそれぞれ収容されていた刑務所を脱獄する。中でもスペック、シコルスキー、柳龍光が収容されていた刑務所は、特に脱出が難しそうだった。

 スペックが収容されていたのは、アメリカのフロリダ州沖の水深200メートルにある潜水艦の「海底刑務所」である。彼は関係者を殺害して鍵を手に入れ、その後「5分間の無呼吸運動」が可能な驚異の心配能力を駆使し、普通に泳いで脱獄を果たした。

 シコルスキーが収容されていたのはミサイルの発射口を流用した刑務所だ。高さが100メートル以上あり、内壁は垂直かつ滑らかで、登るのはどう考えても不可能だ。だが、シコルスキーは超人的な指の力でわずかな錆や傷をとらえ、これを登りきって脱獄した。

 そして柳龍光は、ロケット砲にも耐える特殊な強化ガラスに囲まれた独房に入れられていた。しかし柳は極限の真空状態を生み出す「空掌」の技術を使って、このガラスをいともたやすく素手で破壊して脱獄している。これは柳ならではの特殊技術があってこその離れ業だろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3