トラブルメーカーだけど憎めない…ドラマ『相棒』特命係第三の男「陣川公平」がファンに愛される理由の画像
ドラマ『相棒 season24』メインビジュアル (C)テレビ朝日

 人気刑事ドラマシリーズ『相棒』(テレビ朝日系)といえば、主人公・杉下右京とその相棒の活躍が見どころだ。しかし彼ら以外にも、視聴者に愛される主要キャラクターは数多く存在する。

 中でも、原田龍二さん演じる「特命係第三の男」と呼ばれる陣川公平警部補は、シリーズを語る上で欠かせない存在だ。もともとは刑事に憧れる経理担当だった陣川は、後先考えない行動と惚れっぽい性格で、たびたび特命係をひっかきまわすトラブルメーカーである。

 しかし、どこか憎めない愛すべきキャラクターでもあるため、ファンからの人気も高い。今回はそんな陣川の魅力をあらためて振り返っていこう。

※本記事には各作品の内容を含みます

■特命係第三の男としてseason3で初登場!

 陣川が初登場したのは、season3の第6話「第三の男」である。それまで特命係は「たった二人の特命係」だったが、ついに3人目のメンバーが左遷されてくる。それこそが、捜査一課の経理担当だった陣川公平警部補だ。

 初登場時には捜査一課一係の経理マンであるにもかかわらず、指名手配犯と勘違いして一般市民を誤認逮捕するという失態を犯した。おまけにそれが2回連続したために、特命係への左遷が決定したのだった。

 陣川の厄介な点は、同じミスを何度も繰り返すところにある。左遷後も懲りずに「指名手配犯を見つけた」と思い込み、ある女性を捜査。しかも、その女性に惚れてしまって……というお決まりの展開を、初登場エピソードでも見せている。

 結局、特命係の活躍で事件は解決し、上層部が特命係での活躍を危惧したからか、陣川は捜査一課一係に戻っていってしまった。

 このエピソードからもわかるように、「勘違いや思い込みから重大事件に巻き込まれる」という彼の王道パターンは、初登場から一貫している。特命係を去ってからも「一目惚れした」「困っている女性がいる」といった理由で特命係を訪れ、準レギュラー的な立ち位置を確立していく。

 右京の相棒が代わっても陣川は特命係に関わり続け、歴代の相棒それぞれと交流しながら、そのトラブルメーカーぶりを発揮してきた。

 そんな陣川にとって大きな転機となったのが、season14第12話「陣川という名の犬」だ。この事件で陣川は想い人を理不尽に殺され、犯人への復讐を企てる。それまでの陣川登場回とは一線を画す、かなりシリアスなエピソードだった。

 犯人を殺す寸前で右京と当時の相棒・冠城亘によって阻止されるも、監察官聴取を受ける事態にまで発展。その後、冷静に自分と向き合うという意味でもロンドン研修に旅立ち、しばらく日本を離れることになった。

 陣川は、season16第11話「ダメージグッズ」にて、ロンドン研修を終えて帰国。一回り成長したかに思われたが、相変わらず女性絡みの事件に巻き込まれてしまう。しかし、特命係の助けを借りて事件を解決する中で、過去の自分と向き合う姿が描かれた。

 かつて復讐心から人を殺そうとした陣川は、今度は同じように復讐心に囚われた女性を救う。人間として、そして刑事として成長した姿を見せ、ついに刑事課、しかも右京の古巣である捜査二課に刑事として配属されることになった。

 捜査二課は金融犯罪などを扱う部署であり、経理経験のある陣川には適した場所だといえる。右京も“数字に強い君にぴったり”と太鼓判を押しており、ロンドン研修を経て一回り大きくなった彼の姿に期待を寄せていた。

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